ここ最近、立て続けに中国経済が深刻な逆風にさらされていると広く報じられている。大きなニュースでは、8月17日に中国の不動産大手「中国恒大集団」が、米連邦破産法第15条の適用をニューヨークの裁判所に申請したと報じられた。同社は中国国内での不動産市況が悪化していることを背景に、巨額債務を抱えることになり、破産手続きをした。
さらにその前には、同じく不動産大手「碧桂園」も2023年1~6月期の赤字が最大で約1兆円以上になるとの業績予想を発表している。
こうした大手不動産会社のネガティブなニュースを受けて、米国ワシントン・ポスト紙は「中国が、1990年代に強大な日本を崩壊させたような下降スパイラルに陥る恐れが高まっている」と指摘している。
中国経済に何が起こっているのか
いったい中国経済に何が起きているのだろうか。端的に言えば、中国で成長率は期待に達しておらず、企業や政府機関は多額の負債に苦しみ、外国投資は低迷している。しかも経済の先行きも明るくない。
新型コロナウイルスの発信源となった中国は、ゼロコロナ政策を続けてロックダウン(都市封鎖)などで国民の活動やビジネスを制限してきた。それが2月の春節(旧正月)の前に、ゼロコロナ政策を撤廃。経済活動が再開することで、そこから中国経済は上向きに復活していくと見られていた。