Q SEAT車両はクロスシート&ロングシートの二刀流
なお、この車両は有料座席指定サービス以外の一般車としても使用され、その場合はロングシートに転換される。
・クロスシートからロングシートへの転換の様子(動画)
ただし、有料座席指定列車が終点の元町中華街駅に到着した後は、3分ほどで普通の列車として折り返すこととなるが、クロスシートのまま(向きは元町・中華街方向を向いたまま後ろ向きで発車)なので、鉄道ファンにとっては乗り得列車とも言える。渋谷到着後は、次のQ SEATサービス列車として運行する。
人身事故などでの運休や列車ダイヤが混乱していてQ SEATが利用できなかった場合には、手数料なしで払い戻しとなる。自己都合による払い戻しの場合は手数料が100円かかる。
Q SEATサービスの今後は?
大井町線&田園都市線に続いての東横線でのQ SEATサービスの開始。さらなる展開が気になるところだ。他社のような座席指定専用列車は検討していないとのことであるし、副都心線や相鉄線への乗り入れも今のところ予定していないようだ。
土休日のみ運行のS TRAINは西武線、副都心線との直通を行っているが、指定料金は割高になるし、列車ダイヤが乱れたときの対応など課題が多いことも事実である。ともあれ、乗車率が好調となり、増発や走行時間帯の拡大などの展開を期待したい。
取材協力=東急電鉄
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(ともに平凡社新書)がある。