日本のここ10年の治安は「悪くなっている」と感じる人が72%
「この10年で日本の治安はどのように変化していると思いますか?」の回答結果は、「悪くなっている」が最多の72%となり、次いで「どちらともいえない」が23%、「良くなっている」が5%でした。
世間の人々の心情では、「良くなっている」と回答している人はごくわずか。「悪くなっている」と回答している人が大勢を占めています。
しかし、法務省が公表している「令和4年版 犯罪白書」では、アンケート結果とは異なる興味深いデータが公表されているのに注目です。認知件数および検挙件数の項目で上位となっている「窃盗」の項目で「非侵入窃盗」をチェックしてみると、10年前(2011年)は約60万件あった認知件数が、現在(2021年)では約22万件に減少しています。
新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などの影響も考えられますが、2003年以降から右肩下がりで窃盗の認知件数が減っているのです。
前述の「治安が悪い」とのアンケート回答から考察した内容にも通じますが、SNSをはじめとしたインターネットの普及も、人々の心情に影響を与えているかもしれません。犯罪件数が減っているにもかかわらず、凶悪な事件が増えているような錯覚を受けやすくなっているとも考えられるでしょう。
「ここ10年で治安が悪くなっている」と回答した人のコメント
「この10年で日本の治安はどのように変化していると思いますか?」の項目で「悪くなっている」と回答した人は次のようなコメントを残しています。
「全体的に見て治安は良いが、起こった犯罪の凶悪さが増していると思う」(埼玉県・30代女性)、「経済が安定していないこと、何か事件が起きても助けるよりスマホで動画を回すなど緊急時に対する人の態度が変わってきてしまっていると思う」(愛知県・20代女性)、「犯罪件数よりも、組織的に凶悪な内容が増えているように感じる」(新潟県・40代男性)という回答がありました。
犯罪件数自体は減っており、全体的に治安が安定していると考えられる反面、重大な事件が発生していたり、事件現場を撮影する人が増えたりと、人々の心情・態度が変わってきていることがコメントより読み取れます。
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調査概要
調査期間:7月5~11日
調査方法:インターネット調査
回答者属性:全国10~70代の500人
【参考記事】
(※1)令和4年版 犯罪白書(法務省)
この記事の筆者:長谷川 優人
1990年生まれ。30代突入と同時期に未経験でライター業を開始。日常系アニメと車好き。女性声優さんにも関心をもち個人的にイベントへ参加している。現在の所有車はスズキ ワゴンR(MH95S)。各地のアニメ作品の舞台となった場所を聖地巡礼すべくドライブに出かける。