【連載:AIに負けない子の育て方ーVol.1ー】
偏差値型の教育から探究的な学びへ
はじめまして。中曽根陽子です。
私は、数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして、長い間教育の世界を見てきました。その仕事を通して、偏差値型の教育から探究的な学びへシフトしていくことが必要だと痛感し、ずっとそういう発信をしてきた人間です。
また、自分自身が子どもとの関わり方に悩んだときに子育てコーチングを学び、親子関係が変わったことから、子どもが本来持っている力を生かして、幸せに生きていくために親はどう関わればいいのかを探究してきました。
そして、お母さんが幸せな子育てを探究する「マザークエスト」を立ち上げて、これまで私が学んできたポジティブ心理学や、脳科学、方眼ノートなどのメソッドを組み合わせた、ウェルビーイング子育て実践講座を開催しています。
そんな私が、この度「All About NEWS」で連載をさせていただくことになりました。
「やりたいことを見つけてほしい!」と願う親が増えている一方で悩みも
私は、マザークエストの講座や講演などで、お母さんたちとお話をする機会が多いのですが、最近は「勉強ができるようになってほしい」というより、「やりたいことを見つけてほしい」と願い、そのためにできるだけのことをしてあげたいと思っている親御さんが増えているように感じます。
すてきだなと思います。
一方で、「子どもが意欲的でない」とか、「やりたいことがない」といった悩みを抱える人が増えているようにも感じています。
今は、私が子育てをしていた頃より情報はあふれていて、才能を発揮して輝いているお子さんの話などが目につくので、余計そう思ってしまうのかもしれません。
しかも、今は時代の変わり目で、これまでの常識や価値観が通用しなくなってきています。いい大学を出たからといって、いい仕事に就けて、一生安泰なわけではない。
ChatGPTに代表される生成AIの出現で、またAIに人間の仕事が取って代わられるのかという議論が沸き起こっています。
既存の職業の中には、なくなるものも出てくるでしょう。そんな変化の時代だからこそ、不安を感じて焦ってしまうのも分からなくはないのですが、不安から行動してもいい結果にはつながりません。
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