7月6日、旧フェイスブックのメタ(Meta)社が「Threads(スレッズ)」というSNSを正式にローンチした。Twitterの代替として期待される新しいSNSで、英語や日本語など複数言語に対応。EU(欧州連合)など一部を除く世界100カ国以上でダウンロードが可能だ。
リリースから24時間で3000万ダウンロードを突破
最近の新しいSNSといえば、アメリカのドナルド・トランプ前大統領が立ち上げた「Truth Social」がある。同アプリはアメリカやブラジルなど一部の国々だけで利用できるが、Threadsは招待制でもない久々に一般向けの新しいSNSであり、大きく注目されている。事実、ローンチから最初の24時間で、3000万ダウンロードを記録している。
主な機能やほかのSNSとの違いなどは、日本でも数多く記事になっているのでそちらに譲ることにするが、本稿では、メタ社がThreadsを立ち上げた意味合いについて考察してみたいと思う。
メタ社が「Threads」をリリースした理由
そもそもこのThreadsは、Twitterを意識して立ち上げられたものだ。
2022年、起業家のイーロン・マスク氏が、運営元のツイッター社(当時。現在の社名はX社)を買収した。そこからさまざまな仕様変更を加えながら、それまでマネタイズに課題のあった同社の赤字をコストカットなどで減らし、今後利益の出る会社に変えるべく猛進している。
ツイッター社の買収を受けて、メタ社で文字を中心にしたSNSを立ち上げる議論が始まった。メタ社はFacebookとInstagramを運営しているが、Facebookは基本的に実名でやりとりするSNSであり、テキストや写真などを友人の間で投稿できる。一方のInstagramは、投稿には写真または動画が必要だ。
そこで、メタ社のSNSライアップにない文字をメインにしたSNSを立ち上げることになったのである。しかも影響力と勢いのあるライバルでもあるTwitterに対抗できるものを立ち上げることになった。
最近はマスク氏の強引なビジネス手法に違和感をもつTwitterユーザーも少なくないため、代替オプションになり得るという目算もあったと見られている。