
アメリカのアップル社が毎年恒例の開発者向けイベント「WWDC23」(世界開発者会議)を日本時間6月6日から開催した。このイベントは同社の新製品が発表されるということもあって世界的にも注目されている。2023年は、これまで長く期待されていたVR/ARゴーグルである「Vision Pro」が公開されたことが話題になっている。
「iPhone 8」と「iPhone X」が最新OSの対象外に
「WWDC23」では他にもいろいろなアップル製品の情報が明らかになったのだが、中でもiPhoneユーザーの間で物議になったニュースがあった。それは、この秋にiPhone向けの最新の基本ソフト「iOS 17」が正式にリリースされ、それに伴っていまだに根強い人気がある旧型iPhoneの「iPhone 8」と「iPhone X」が、最新OSのサポート対象外になったのだ。つまり、「iPhone 8」と「iPhone X」のユーザーは、最新OSをインストールできなくなる。
Twitterでは「iPhone 8」という単語がトレンド入りするほど、一部のユーザーにはインパクトのある発表だった。するとこのニュースを受けて、筆者にもこんな質問が寄せられた。サポート対象外になった「iPhone 8」を使い続けても大丈夫なのか、と。
最新iOSへのアップデートが必要な理由
その答えを示す前に、まずなぜOSをアップデートしなければならないのか、という基本的な話から始めたい。iPhoneに限らず、Androidスマホであっても、ユーザーは頻繁にアップデートをするように求められる。iPhoneの場合、6月9日時点のiOS最新バージョンは「16.5」になっているはずだ。もし自分のiPhoneがそうなっていなければ、直ちにアップデートすることをおすすめする。
アップル社が頻繁にアップデートをユーザーに求める理由はいくつかある。まずは、機能性や操作性を改善するための新機能が追加される場合だ。目に見て分かるものから、裏で動くシステムも追加されたりする。それによって、今よりも快適にスマホ(iPhone)を使えることになる。
また、アップル社がOSを作った時点では想像できない不具合が起きることもある。例えば、予想外の入力や動きがあれば、それにきちんと対応できない場合が出てくる。そういう不具合が発見されると、どんどん修正され、ユーザーの利便性も高まっていくのである。
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