新年度が始まった。この4月から社会人1年目という人も多いかもしれない。
「さあこれから心機一転、バリバリ働くぞ!」と張り切っているフレッシュマンも多いだろうが、いわゆるホワイトカラー、さらに言えば大企業のサラリーマンになる場合、ほどなくして「厳しい現実」に直面することになるだろう。
「高学歴ほど高収入」は本当か
それは、これから手にする収入がキャリアを積めば積むほど「学歴」に大きく左右されていく、という現実だ。
就職・転職のための口コミサイト「OpenWork」に登録がある24万6134人のデータを基に調査した「出身大学別年収ランキング 2022」(※)によると、出身大学別で見た30歳時点の想定年収ランキングの1位は「東京大学」。2位「一橋大学」、3位「慶應義塾大学」で、トップ30圏内は「旧帝大」の7つの大学、「早慶上智」などいわゆる名門大学のほか、偏差値の高い難関大学が上位を占めている。
※オープンワーク調べ。データ対象期間は2018年3月~2022年6月
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年収には「出身大学」が大きく影響
ちなみに、この「格差」は歳を追うごとに広がっていく。例えば、東京大学出身者の30歳時推定年収は761万円で、29位の「青山学院大学」の551万円と210万円の開きがあるのだが、これが20年後の50歳時推定年収になると、407万円になる。
つまり、サラリーマンとして生きていく場合、いくらビジネス本を読み漁ろうとも、人が嫌がる仕事で汗水を垂らそうとも、いくら社内派閥をうまく立ち回ろうとも最終的には収入には「出身大学」が大きく影響しているのだ。
ただ、このような話を聞くと、社会人の多くは「そうかなあ」と首をかしげるのではないか。
実際のビジネスの現場では、東大卒とか慶應卒はほとんど関係がない。出身大学の社会的評価と同様に、仕事もバリバリこなす優秀な人間もいれば、「あれで東大出てるんだって」なんて陰口を叩かれる人も少なくない、というのは多くのビジネスパーソンが感じることだろう。
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