ここがヘンだよ、ニッポン企業 第11回

新人をフルリモートで放置する会社は近い将来「ブラック企業」と呼ばれてしまうワケ

新入社員をフルリモートで放置すると、長期的に見て「キャリアが死ぬ」――。そんなツイートが先日話題になった。実際の原因はどこにあるのか、「健康経営」の観点も踏まえ、フルリモートの是非を考える。

“時代遅れ”の管理職が原因か

ただ、その一方で「リモートの方が通勤なんて無駄な時間を費やさず、自分の自由な時間が取れていい」という新人も少なからず存在している。
 

また、「フルリモートが悪いのではなく、リモートで若手を育成するノウハウが育っていない会社側の問題では?」「だからと言って、じゃあ前みたいに新人は早く出社して、雑巾掛けみたいな働き方にするわけにもいかないだろ」という意見もある。
 

要するに、「フルリモートで新人のキャリアが死ぬ」というわけではなく、「フルリモートで社員のマネジメントができない時代遅れの管理職によって、新人のキャリアが死ぬ」というわけだ。

フルリモートで新人教育ができない上司は時代遅れになる可能性も(画像はイメージ)

では、どちらの意見が正しいのか。業種やリモートワークの浸透度、さらには古臭い根性論にどれだけ傾倒しているかという企業カルチャーなどに左右されるので、どちらが正解で、どちらが間違っているとは一概には断言できない。
 

しかし、1つだけはっきりしているのは、「新人をフルリモートで放置」みたいな働き方はこれから徐々に減っていくということだ。そのような人材育成をしている企業はそう遠くない未来、「ブラック企業」の汚名を着せられるだろう。
 

>次ページ:「健康経営」上、「新人をフルリモートで放置」はアウト

 

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