映画『BLUE GIANT』でついに聴こえた、テナーサックスの“音”
そんな『BLUE GIANT』の待望のアニメ化。演奏シーンの臨場感はもちろん、迫力のある熱い音に違いない、大のサックスの音をついに聴くことができる……！ 劇場で聴くまで一切“音”は聴かないと心に決め、相当な努力をして予告編の視聴を避け、劇場に足を運びました。劇伴にてサックスを担当した馬場智章（ばばともあき）さんの迫力ある演奏は、漫画でイメージしていた通り、みんなを一瞬で黙らせる、熱のある大の演奏そのものでした。ストーリー内の観客同様に、ハッと息をのんで立ちすくむことしかできない、そして意味もなく涙があふれてくる、そんな演奏だったのです。一緒に観に行ったサックス演奏者の息子は、力強くスピード感のある映画オリジナル曲『N.E.W』のイントロに感嘆の声を上げていました。
日本が誇るジャズピアニスト・上原ひろみさんの名曲を堪能！
特に、主人公が結成するジャズバンド“JASS”のオリジナル曲『FIRST NOTE』『N.E.W』『WE WILL』は、希望が湧いてくるような力強い楽曲。1度聴いて心をつかまれ、映画鑑賞後から何度も聴いています。
18歳の3人、それぞれのジャズへの熱意に心を打たれる
ストーリーは、主人公・宮本大が高校卒業と同時に上京するところから始まります。東京で出会った凄腕ピアニスト・沢辺雪祈（さわべゆきのり）、大の高校の同級生・玉田俊二（たまだしゅんじ）の3人でジャズバンド“JASS”を結成。18歳の3人は、10代のうちに日本最高のジャズクラブ「So Blue」に出演するという目標に向かって奔走します。
根拠のない自信に満ちあふれ、無謀ともいえる夢に真っすぐに向かう大。幼い頃から努力を重ね、さらなる高みを目指して堅実に成功をつかもうとする雪祈。大の姿に感銘を受け、音楽経験ゼロから、ただがむしゃらに2人を追う玉田。三者三様のひたむきさを見ていると、音楽に限らず、運動でも受験でも仕事でも、一見無謀にも思える「大きな夢を持つこと」の尊さを感じずにはいられません。
＞次のページ：劇中で最も感動したシーンは？
【おすすめ記事】
・映画『スラムダンク』で注目される「無音演出」。あえて“セリフなし”の無音シーンが重要な作品を厳選
・ 新作映画『鬼滅の刃』は“衝撃の連続”な2時間だった！ 既出エピソードでも映画館で見るべき理由【ネタバレ感想】
・【ネタバレあり】物議の映画『スラムダンク』。30年来のファンがガチで『THE FIRST SLAM DUNK』を語る
・『すずめの戸締まり』の“まるで時刻表”な上映回数に賛否。大作の優遇は「仕方がない」ことなのか
・映画作品は「ネタバレ前提」が主流の時代？ “要約文化”が台頭する今だからこそ伝えたいネタバレ論
