映画『BLUE GIANT』は何がすごいのか。高級ジャズクラブのような臨場感に冒頭から感動必至【ネタバレレビュー】

シリーズ累計発行部数920万部を超える人気漫画の初のアニメ化作品、映画『BLUE GIANT』が2月17日に公開されました。“音が聴こえる”漫画の主人公・大のテナーサックスの“音”がついに明らかに! 鳥肌が止まらない2時間をレビューします。

石塚真一さんによる漫画『BLUE GIANT』は、バスケットボール部に所属する中学生・宮本大(みやもとだい)がジャズに魅せられ、テナーサックスで世界一のジャズプレーヤーを目指す物語。2013年から『ビッグコミック』(小学館)で連載が開始され、現在は、アメリカが舞台の『BLUE GIANT EXPLORER』が連載中です。シリーズ累計発行部数が920万部を超える大ヒット漫画の初のアニメ化作品、映画『BLUE GIANT』が、2023年2月17日に公開されました。
 

“音が聴こえる漫画”『BLUE GIANT』、待望の映像化!

(画像出典:プレスリリース

無類の漫画好きである筆者が『BLUE GIANT』と出会ったのは、息子との会話がきっかけでした。小学生の頃からアルトサックスを習っている息子が『BLUE GIANT』を初めて読んだとき、「この漫画には音がある」と言ったのです。はて、漫画に“音”がある? 譜面が記されているのか、はたまた、QRコードを読み込むと音が流れる仕掛けがあるのか……。

腑に落ちないまま漫画を読み、主人公・大がサックスを演奏する、音符も譜面の描写も何もないシーンから、確かに圧倒的な“音”の存在を感じたことを覚えています。それと同時に、どんなボリュームなのか、どんな音質なのか、どんなメロディーなのか、大が奏でる音を聴いてみたいという強い願望が芽生えました。


>次のページ:以降はネタバレレビュー! 映画『BLUE GIANT』はとにかくアレがすごい


【おすすめ記事】
映画『スラムダンク』で注目される「無音演出」。あえて“セリフなし”の無音シーンが重要な作品を厳選
新作映画『鬼滅の刃』は“衝撃の連続”な2時間だった! 既出エピソードでも映画館で見るべき理由【ネタバレ感想】
【ネタバレあり】物議の映画『スラムダンク』。30年来のファンがガチで『THE FIRST SLAM DUNK』を語る
『すずめの戸締まり』の“まるで時刻表”な上映回数に賛否。大作の優遇は「仕方がない」ことなのか
映画作品は「ネタバレ前提」が主流の時代? “要約文化”が台頭する今だからこそ伝えたいネタバレ論
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    東海道新幹線の「個室」が100系以来、四半世紀ぶりに復活! 「どこに設けられる?」JR東海に聞いた

  • ヒナタカの雑食系映画論

    見事なバランスに仕上がった『シンデレラ』を筆頭に、ディズニー実写映画の「ポリコレ」について考える

  • AIに負けない子の育て方

    多様化する中学受験…実施校が爆増した「新タイプ入試」「英語入試」に受かるのはどんな子か

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    日本人には日常すぎて衝撃! 外国人が「最高に素晴らしい!」と称賛する日本のいいところ厳選3