ダーク(闇)ウェブで、実際に流出しているパスワード
筆者も、知り合いの外国のハッカーに、インターネットの奥深くにあるダーク(闇)ウェブで、実際に流出しているパスワードのデータについて聞いてみた。すると、流出している日本の電子メールで使われているパスワードの例を送ってきた。
いくつか紹介すると、「jfkkgkkg」「poiuy」「rarara」「susan」「kazukun」「kano」「930314」「191969」「321708」「999999」などなど。どれもあっという間に破られてしまいそうなパスワードである。ただ実際に、日本のメールアドレスを持った人たちはこういうパスワードを使っている。
こう見ていくと、きちんとパスワードを設定することがいかに大事なのかが分かる。そこで日本人にはぜひ日本人らしいパスワードの覚え方を紹介したい。それは、文書にすることだ。
すでに実践している人も多いだろうが、文書をローマ字にしたものをベースに、大文字小文字と記号を入れたら、忘れにくい。例えば、「O-ke-uxebuhabenkyouninaru!2022」(オーケーウェブはべんきょうになる!2022)とすれば忘れない(はず)。
とにかく、シンプルなパスワードは控えた方がいい。家にきちんとした鍵をかけることで、盗みの被害に遭う可能性は大幅に減るのと同じことだ。それが現代の防犯であるという認識を持っていたほうがよさそうだ。
山田 敏弘プロフィール
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。
Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル」
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