「高みの見物」などという場合に使う「見物」という言葉。皆さんは正しい読み方をご存知ですか? 「みもの」「けんぶつ」と2通りの読み方を聞いたことがある人もいるでしょう。
今回はこの「見物」について解説していきます。
<目次>
・そもそも「見物」の意味とは
・「見物」の正しい読み方は「みもの」「けんぶつ」どっち?
・「見物(みもの)」と「見物(けんぶつ)」は意味が異なる
・「見物」と「見学」の違いは?
・「見物」の読み方に迷ったときは平仮名で考える
そもそも「見物」の意味とは
「見物」の意味とは、特定の出来事や場所を見ることや観察することを指します。一般的に、観光地やイベントなどを訪れて見ることを指すことが多いです。また、見る価値のある面白いものなどを指すこともあります。
「見物」の正しい読み方は「みもの」「けんぶつ」どっち?
「見物」を読む場合「みもの」「けんぶつ」どちらが正しいのでしょうか。
結論からいうと本来の読み方は「けんぶつ」です。辞書にも「けんぶつ【見物】」として語が採録されています。
では、「みもの」は辞書でどのように扱われているのでしょうか。いくつか確認してみます。
見もの 読み方:みもの
見る価値があること。「見物(みもの)」とも書く。「見物」には「けんぶつ」という読み方もある。
(実用日本語表現辞典)
み‐もの【見物】 の解説
1 見るだけの値打ちのあるもの。見てすばらしいと感じるもの。「この対戦カードは―だ」
2 見物すること。また、その人。
(『デジタル大辞泉』(小学館))
辞書では、「見もの」と書いて「みもの」と書いてあり、「見物」と漢字2文字で並べると「けんぶつ(見物)」が本来の用語であるといえますが、どちらも間違いではありません。
「見物(みもの)」と「見物(けんぶつ)」は意味が異なる
しかし、「見物」を「みもの」と読むのか「けんぶつ」と読むのかで意味が全く異なってきます。
「みもの」と読ませると「見る価値のあるもの」という意味となります。それだけの値打ちがあるものとされますので、「このゴルフの最終トーナメントの試合は見物(みもの)だ」などと使うと、これは見ておかなければならない試合だという意味が込められます。
一方、「けんぶつ」は「イベントの催しものや観光名所などを見学して楽しむこと」です。
また、「高みの見物」という言葉は、第三者の立場から、興味本位に物事の成り行きを傍観することを指します。
高(たか)みの見物(けんぶつ) の解説
第三者の立場から、興味本位に物事の成り行きを傍観すること。
(『デジタル大辞泉』(小学館))
このように、見学して様子を見ることを「けんぶつ」といいます。
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「見物」と「見学」の違いは?
また、「見物」に似た熟語で「見学」という言葉があります。
「見物」と「見学」は、どちらも出かけて行って何かを見ることという意味です。 しかし「見物」は、催し物や名所旧跡を見て楽しむという、どこかへ出かけてという意味合いが強いです。 対して「見学」は、知識を広め学ぶために、実際に出かけて行って見るべきものを見ることをいう点が違います。
(二字熟語の百科事典)
「見学」は、何かを学ぶために出かけて行って見るという意味合いが強くなります。
「見物」の読み方に迷ったときは平仮名で考える
「見物」の本来の正しい読み方は「けんぶつ」です。
「みもの」か「けんぶつ」か迷った場合は、「みもの」の「もの」は平仮名で書き記すと考えてみれば分かりやすいかもしれません。
この機会にぜひ、「見物」の本来の読み方を確認してみてください。