イギリスで生まれ、明治期にわが国で活躍したSL(蒸気機関車)が最後の所属先だった西武鉄道から芝浦工業大学に寄贈され、きれいに整備された後、東京の湾岸エリアである豊洲で展示公開されることになった。数奇の運命をたどったSLが見つけた安住の地で過去をしのぶとともに、地域のランドマークとして親しまれることを期待したい。
403号蒸気機関車の生い立ち
403号蒸気機関車は、1886年にイギリスのマンチェスターにあったナスミス・ウィルソン社で製造後、鉄道局(後の国鉄)が輸入した。日本鉄道、房総鉄道(いずれも鉄道国有化後、後の国鉄線となる)で活躍した後、現在の西武鉄道の一部となる川越鉄道に譲渡され、最後は西武多摩川線で第2次世界大戦後の1957年まで活躍した。
一時、埼玉県北部を走っていた上武鉄道に貸し出されたが、返却後は、廃車となり、ユネスコ村(所沢市)で保存の後、横瀬車両管理所(西武秩父線)にて長年保管されていた。