9月23日に開業予定の西九州新幹線「かもめ」に使用されるN700S系4編成すべてが大村車両基地(正式名称は熊本総合車両所大村車両管理室)に勢ぞろいし、写真撮影のため報道陣に公開された。
営業運転開始後は朝から夜まで走り回るため、車両基地に残るのは予備の1編成のみ。また夜間は車庫の中で整備を受けるため、このように外で勢揃いするイベントは最初で最後のことであろう。
最初で最後のレアショット! N700Sの特性を生かした並び
N700S系は、東海道・山陽新幹線で使用中の最新型車両N700S(16両編成)を西九州新幹線用にアレンジしたもので、6両編成となっている。車体や車内のデザインは水戸岡鋭治氏が担当。純白の車体に足回りの赤がアクセントだ。
車両基地の海側(写真左)からY1編成、Y2編成、Y3編成、Y4編成と順番に並んだ。一番右側のY4編成は架線の張られていない線路に置かれていた。普通なら走ることができないのだが、N700S系には新幹線車両では初となる自走用バッテリーが装備されているので、それを使って移動したとのこと。
このシステムは、本来停電などで立ち往生したときに最寄りの駅まで自走できるようにするため組み込まれたもので、今回はそれを利用したのだという。このイベントのために、相当の時間や工夫がなされたようで関係者の努力の賜物である。
建物の屋上から俯瞰撮影
正面からの撮影のみならず、車両基地内にある建物屋上からの俯瞰撮影も行うことができた。真新しい車両なので、汚れもほとんどなく美しい姿だ。
屋上からは車両基地全体のみならず、脇を走る西九州新幹線の本線も見ることができた。ここからの走行写真も魅力的であろう。
駅周辺の様子は
また、屋上からは遠くに大村湾を眺めることもできる。さらに海側をJR大村線が走り、少しだけ列車の走行シーンが目に入る。
ただし、大村線の線路は車両基地より一段低いところを走っているので、開業と同時に開設される大村車両基地駅のホームは見えない。駅周辺は整備中とのことだが、いずれ車両基地でのイベントが行われる時はアクセスが容易になるであろう。
開業間近で盛り上がる地元
この日の午後は大村市民を対象とした一般公開が行われたが、車内見学ができるように新幹線車両は車庫内などへ移動し、4編成の並びはなくなった。それでも、参加者は真新しい車両の車内を見学でき大喜びであった。開業への期待が高まり、沿線は盛り上がっている。
取材協力=JR九州
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