恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第49回

西九州新幹線「かもめ」海上輸送で九州へ! 最新ショットを公開

2022年秋に部分開業が予定の西九州新幹線。列車名は「かもめ」と決まり、2021年12月に日立製作所笠戸事業所において報道公開された。その第1編成6両は何と海上輸送で九州に移送された。その模様を撮影した画像が提供されたので文章とともにご紹介しよう。

2022年秋に武雄温泉駅(佐賀県)と長崎駅の間で部分開業が予定されている西九州新幹線。列車名は「かもめ」と決まった。東海道・山陽新幹線で走っている最新型N700Sを6両編成にして、水戸岡鋭治氏がデザインした斬新な車両は、2021年12月22日に日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)において報道公開された
 

海上輸送で九州へ

線路を離れ、吊るして船積するための準備中

第1編成が6両すべて揃ったところで、九州に移送されるのだが、何と海上輸送で長崎県内にある車両基地まで運ばれる。その模様を撮影した画像がJR九州と日立製作所笠戸事業所より提供されたので、記事とともにご紹介しよう。
 
まずは先頭車を吊り上げる

「かもめ」の車両は、南側が海に面した笠戸事業所で船積みされた。まず、1月5日に先頭車2両(1号車と6号車)がクレーンで吊るされて船に移動、翌6日には中間車4両(2号車~5号車)が同じように船積みされた。
 
中間車4両(2号車から5号車まで)を吊り上げる
6両とも船に乗ったところで出港の準備完了

出港は当初6日の正午(12時)の予定だったが、諸般の事情により夕方5時にずれ込み、夕陽を眺めながら瀬戸内海に乗り出した。
 
夕闇が迫る頃、笠戸事業所を出港、瀬戸内海に乗り出す

船はゆっくりかつ慎重に進み、1月7日深夜に関門海峡を通過、7日のお昼ごろは玄界灘を西に向かった。この模様は、JR九州のグループ会社であるJR九州高速船㈱が所有しているクイーンビートルを使った「かもめ」ウォッチングのツアーを企画して、一般客に楽しんでもらっている。
 
玄界灘を進む。高速船クイーンビートルから撮影

その後、南西に進み、平戸大橋の下を通り、8日の午後にはハウステンボス付近の針尾瀬戸を通過して、大村湾に入った。そして出発してほぼ48時間後、川棚港に到着。
 
川棚港に到着、水切り(陸揚げ)作業の様子

9日に水切り(陸揚げ)作業をした後、地元の子どもたち、長崎県知事、JR九州青柳社長も出席して歓迎セレモニーを行った。
 
地元の子どもたちから花束贈呈
川棚港で行われた歓迎セレモニーでの記念撮影


車両は、深夜に「かもめ」の到着を待つ大村車両基地に陸送された。開業準備は、着々と進んでいる。
 

写真提供=JR九州、日立製作所笠戸事業所

西九州新幹線について



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