恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第45回

西九州新幹線「かもめ」の車両デザイン決定! 2022年秋頃に開業予定

九州新幹線(西九州ルート)として博多駅と長崎駅を結ぶことが計画されている西九州新幹線は、2022年秋頃に武雄温泉駅(佐賀県)と長崎駅の間の部分開業が予定されている。このほど、新たに使用される車両のデザインが公表されたので詳細をレポートしよう。

九州新幹線(西九州ルート)として博多駅(福岡市)と長崎駅を結ぶことが計画されている西九州新幹線は、さまざまな問題を抱えながらも2022年秋頃に武雄温泉駅(佐賀県)と長崎駅の間での部分開業が予定されている。このほど、新たに使用される車両のデザインが公表されたので詳細をレポートしよう。
 
「かもめ」はN700Sをベースにデザインされた

JR九州のコーポレートカラー「赤」を配色し、毛筆の「かもめ」の書体を採用

列車名は既に決まっているように「かもめ」で、これは博多駅と長崎駅を結ぶ在来線特急の愛称を踏襲するものだ。そして新幹線用の車両は、東海道新幹線と山陽新幹線で使用されているN700Sをベースとしつつ、白を基調としながらも、JR九州のコーポレートカラーである赤を配色し、シンボルマークやロゴを加えている。
 

また、毛筆の「かもめ」の書体をエクステリアデザインとして配置した。これは、現在、博多駅と鹿児島中央駅の間で走っている九州新幹線「つばめ」と同様だ。「新幹線つばめ」のDNAを持続させ、 変化・進化させて「新幹線かもめ」を表現するものとしている。
 

デザインを説明する水戸岡鋭治氏


デザイン担当は、JR九州の最近の車両を手掛けている水戸岡鋭治氏。インテリアのコンセプトは、「優しい、 明るい、 楽しい、 心地良い、 美しい」をテーマに色、 形、 素材をセレクトし、和洋折衷、 クラシックとモダンが組み合わされた、 懐かしくて新しい空間を表現したと説明する。
 

列車は6両編成でグリーン車はなく、すべて普通車である。そのうち、1~3号車が指定席で通路を挟んで2人掛けの座席が並ぶ。ただし、1号車=菊大柄、2号車=獅子柄、3号車=唐草と車両ごとにデザインを変えているのは、「つばめ」と同じやり方だ。乗るたびに異なる車両に座り、気分を変える楽しみが持てる。
 

1号車: 菊大柄
2号車:獅子柄
3号車:唐草

自由席車(4~6号車)は、通路を挟んで2人席と3人席が並ぶ。これは、通常の新幹線車両と同じだ。
自由席車

デザインの斬新さやゆったりした乗り心地を堪能したいので、どうせなら、指定席車に座りたい。また、3号車のデッキはトイレ周辺に遊び心を持たせた空間としている。詳細は未定のようだが、どんなデザインとなるのか興味津々だ。
 
3号車のデッキ付近
現行の885系「かもめ」は、「リレーかもめ」として博多~武雄温泉駅での運転となる予定だ


N700Sを離れ、オリジナリティーを追求したとは水戸岡鋭治氏の弁。九州らしいオンリーワンの車両とアピールしている。実際の車両に乗車できるのが今から楽しみだ。

資料提供=JR九州
 


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