2022年は日本に鉄道が開業して150周年の節目の年である。これを記念して各地で続々とイベントが行われる予定だが、鉄道博物館(さいたま市)では、まず蒸気機関車(SL)の写真展が開催される。それに先立ち、内覧会を取材できたので、案内しよう。
 

「鉄道写真家・南正時作品展~蒸気機関車のある風景 西日本編~」開催

鉄道博物館で開催されるのは、「鉄道写真家・南正時作品展~蒸気機関車のある風景 西日本編~」。3月5日(土)~6月13日(月)まで約3カ月のロングランだ。
 

写真展会場の様子、中央の大型SL模型も貴重な展示品だ

南正時氏は1946年生まれの鉄道写真家で、著書も多く、雑誌やWeb記事の連載でも活躍されるこの道の第1人者である。長年撮りためた膨大な作品を鉄道博物館に寄贈したことから、鉄道博物館収蔵資料展としての開催となったもので、2021年の「蒸気機関車のある風景 東日本編」に続く第2弾だ。
 
展示作品について解説する南正時氏

今回の作品展は、関西、山陰、九州を中心に各地で活躍した蒸気機関車の雄姿を厳選した写真70点で構成している。日本の原風景ともいうべき山陰や南九州ののどかな風景の中を走る汽車の写真を見ていると旅情を誘い、静止画にもかかわらず遠くから汽笛が聞こえてくるような臨場感にあふれている。
 
四季折々の風景の中を走る汽車


撮影時期は、国鉄の蒸気機関車が引退する直前の1972~73年頃のものが多い。当時、すでに全国津々浦々で高度成長に伴う開発が進んでいたが、南氏の丹念な取材で見出した懐かしい木橋やかやぶき農家住宅、火の見櫓(やぐら)といった当時すでに希少価値となった風物を絡めた汽車の写真は、記録として貴重なだけではなく、実に秀逸な絵として見るものの心に訴えかける。
 

南氏お気に入りの「寅さん映画」にも通じる古き良き時代の感動が伝わってくると思うのは筆者だけだろうか?
 

フィルム写真のデジタル化について語る南さん


最近、「撮り鉄」と称するマニアの不祥事が相次いでいるが、列車そのものに関心が向かい過ぎているのではないだろうか。広い心を持ち、大自然の中で、対象を客観視して撮影することを心掛ければ、狭い駅のホームなどで乱闘することもなくなるであろう。人生経験豊かな撮影者から写真を通じて教えられることは数多い。
 

なお、会期中に南正時氏のトークショーも予定されている。詳しくは、鉄道博物館のサイトを参照されたい。また、展覧会は指定コンビニで販売する日時指定の入館券を事前に購入して観覧することになる。追加料金は不要なので、その他の展示と合わせて訪問すると楽しめるであろう。



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