恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第56回

旅行作家が“もう一度食べたい”と思うおいしい「駅弁」10選! 【7月16日は駅弁記念日】

7月16日は「駅弁記念日」。これまで食べた駅弁の中から、もう一度食べたいと感じたおいしい駅弁をリストアップしてみた。

7月16日は「駅弁記念日」。1885年7月16日に宇都宮駅(栃木県)で日本最初の駅弁が発売されたことにちなんで制定されたものだ。国内外で多くの鉄道旅行を楽しみ、旅行作家として活動する筆者がこれまで食べた中から、もう一度食べたいと感じたおいしい駅弁を10個リストアップしてみた。
 

1 特撰元祖「牛肉弁当」(JR紀勢本線&近鉄山田線、松阪駅、三重県)


有名な松阪の牛肉、とくに黒毛和牛をメインに据えた駅弁。高級な牛肉を使い、それでいて良心的な価格に抑え、しかも冷めてもおいしさが損なわれないように工夫されているところが驚異的だ。ご飯は冷たくてもおいしいので、駅弁としては申し分ない。通販サイトでの注文もできるのもよい。
 


各種ランキングでも常に1位あるいは上位にランキングされる駅弁で、その実力のほどは揺るがない。ちなみに、発売開始は1959年7月15日の紀勢本線全通記念の日。駅弁記念日とは1日違いだ。
 

2 東海道新幹線弁当(東海道新幹線、JR東海の「のぞみ」停車駅など)


東海道新幹線の車内で食べる定番の駅弁だ。沿線の東京(というよりも江戸)、静岡、名古屋、関西の美味を盛り合わせ、偏りのない味付けで食べやすく、多くの人に支持されている。酒の肴としてもよくマッチし、出張帰りの車内で寛ぐ食材としてもぴったりだ。


東京駅から新大阪駅までの「のぞみ」停車駅や車内販売での入手も可能だが、人気の弁当なので、売り切れることも多いのが残念である。「のぞみ」運転開始30周年などの特別バージョンも期間限定で発売された。
 

3 牛たん弁当(JR仙台駅、宮城県)


仙台名物の牛たんを駅弁にしたもの。ヒモを引きぬいて5分ほど待つだけで温まる加熱機能付容器に特色がある。寒い冬場に、車内で食べるのに最適だ。温かい麦飯の上に載った牛たんに付属のトウガラシを添えると何とも言えない味わいとなる。人参と漬物もアクセントのような魅力がある。網焼き、極撰炭火焼きの2種類があり、予算によって選ぶのもよいだろう。
 

4 かきめし弁当(JR根室本線、厚岸駅、北海道)


カキなどの煮汁とひじきでご飯を炊き上げ、カキ、ツブ、アサリの海の幸と、フキ、シイタケなどの山の幸を盛り付けたこだわり弁当。ご飯の味は一度口にすると忘れられない。その上に載ったカキの味わいも絶品だ。
 


厚岸は北海道内でも札幌から遠い位置にあり、根室本線の釧路から東は特急列車が走っていないので普通列車で行くことになる(釧路駅から55分、快速なら47分)。現地で駅弁を買うのは大変だが、人気駅弁なので各地の駅弁フェアでの販売が多いのはうれしい。
 

5 しゃもじかきめし(JR広島駅)


もう1つのカキの駅弁といえば、広島産のカキを使ったカキ尽くしのこの商品だ。赤いしゃもじをかたどった容器に入っているのが特徴である。カキのスープで炊き込んだカキめしに、煮たカキやカキフライなど様々なカキ料理が手軽に味わえるのが魅力だ。宮島の名産品であるしゃもじをかたどっていて、縁起の良い駅弁とも言われている。9月中旬から3月にかけての半年間のみの販売なので注意を要する。
 

6 元気甲斐(JR中央東線&小海線、小淵沢駅、山梨県)


「元気かい?」という掛け声とご当地の甲斐の国とを掛けた秀逸なネーミングの駅弁は、テレビ番組の企画で1985年に生まれた。京都と東京の有名な料亭が知恵を絞った東西の味比べが楽しめ、高級料亭の味を持ち込んだ駅弁の決定版として人気を博している。経木折詰の二段重ねで、わかさぎの南蛮漬けやアスパラの豚肉巻が美味だ。安西水丸氏の描いた掛け紙のイラストも雰囲気があって印象に残る。
 

7 牛肉どまん中(JR山形新幹線、米沢駅、山形県)

牛肉どまん中&うなぎどまん中を組み合わせた珍しい商品


山形県産米「どまんなか」をふっくら炊き上げ、その上に特製のタレで味付けした牛そぼろと牛肉煮をのせた牛丼風の駅弁だ。山形新幹線開業にあわせて誕生し、全国の駅弁フェアや東京駅の駅弁コーナーでも常備されているので、親しみのある一品だ。塩だれ付き、味噌だれ付きのバリエーションや、うなぎどまん中とのコラボ商品もあって楽しめる。
 

8 母恋めし(JR室蘭本線、母恋駅、北海道)


函館と札幌を結ぶ特急「北斗」の停車駅・東室蘭から枝分かれするように室蘭駅に延びる区間の途中にある小さな無人駅・母恋(ぼこい)。印象的な駅名はアイヌ語の「ポク・オイ」に由来し、ホッキ貝のたくさんある場所という意味だ。
 

というわけで、ホッキ貝の炊き込みご飯で作ったおにぎり2つをメインに、燻製卵、スモークチーズ、ハッカ飴が入っている。素朴なおふくろの味といったところで、風呂敷に包まれた手弁当のような雰囲気が秀逸だ。手作りのため、1日40食限定とのことで、幻の駅弁とも言われている。母恋駅のほか、室蘭駅、東室蘭駅などでも入手可能だ。
 
 

9 SL弁当(JR山口線、新山口駅、山口県)


「SL弁当」は、全国のSL列車が走る路線で何種類も発売されているが、1979年に「SLやまぐち号」が走り出してから、40年以上販売中の幕の内弁当が定番であろう。沿線各地の名産を詰めたもので、丸いレンコンはSLの動輪のつもりだと思われる。


掛け紙のC57形蒸気機関車は、1979年当時の姿なのが懐かしい。なお、SLやまぐち号の車内では売っていないので、乗車前に新山口駅のホームで購入しておきたい。
 

10 大船軒のサンドウヰッチ(JR東海道本線、大船駅など、神奈川県)


お弁当ではちょっと重い、軽食で充分と言うときにおススメなのが、老舗大船軒のサンドウヰッチだ。「イ」ではなく「ヰ」という表記が使われているところに歴史を感じる。ご当地の鎌倉ハムのボンレスハムを使用しているのがウリだ。ほかにチーズサンドも入っていて、複数の味が楽しめる。
 

大船駅や湘南エリアの複数の駅の他、東京駅、品川駅、上野駅、新宿駅でも入手できるので、旅のお供に重宝する。
 

以上、独断でお気に入り駅弁を10種類選んでみた。参考になれば幸いである。



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