7月28日、日テレNEWSがこんなニュースを報じている。
「ロシア通商代表部の職員の男性が半導体関連企業などの社員に接触を図った疑いがあり、警視庁公安部が企業側に通報して情報漏えいを未然に防いでいたことが分かりました。スパイ活動が疑われる事案について摘発する前に企業側に通報するのは異例です」
参考:露通商代表部職員が接触 警視庁公安部が企業側に通報し情報漏えいを未然に防ぐ(日テレNEWS)
このニュースはロシアの典型的なスパイ活動だと言える。しかもその手口は巧妙でも何でもない。ロシアスパイは半導体関連企業の周辺で、同社の社員に道が分からないふりをして道案内を頼んで接触したという。
そして写真の連絡先を聞き出して「今度、飲みにいきませんか」などと誘い、仲良くなって情報を要求していたと見られる。
日本人の親切心を狙ったやり口で、日本人の美徳の1つだといえる「性善説」を悪用された形だ。スパイは基本的に相手の弱みを利用しようとするので、ここを突いてくるのは当然と言えば当然だ。
もっとも、日本人は今回のニュースと似たようなやり口でロシアのスパイ工作に引っ掛かってきた歴史がある。そこで本稿では、スパイに狙われる日本人の実態を紹介しながら、どんな対策ができるのかを見ていきたい。