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「高い専門性」を期待されている人も半数未満
「高い専門性の発揮」を期待されていると考える人も半数に届きません。これは、「専門性を発揮できる職務を担当していない」もしくは「専門性が高くないと見られている」という意味だと考えられます。
継続勤務者で「59歳以前とはまったく異なる職務」を担当する人は約1割ですから、専門性を発揮する機会がないのではなく、高度な専門性がないと思われているということです。
60代前半の継続勤務者で「社外で通用する専門性やスキルがある」と考えている人は59.4%、そもそも専門性に自信がない人が4割いるということです。
即戦力として採用されているはずの転職者でも65.2%です。高度専門職が全社的に不足しているにもかかわらず50代・60代社員は高度専門職要員として期待されていないという調査結果を裏づけています。
専門性の不足は、「現役」プレーヤーとして活躍を続けるためには看過できない弱点です。
「自分が一番詳しい」組み合わせが専門性になる
しかしながら筆者は、数十年ものビジネスキャリアを持つ60代社員がなんの専門性も持っていないということは、あり得ないだろうと考えています。
総合職として多くの職種を渡り歩くローテーションの対象であったとしても、その中で、比較的長期間担当した職種や事業、地域、顧客などがあるはずです。おそらく、誰しも思い当たるものが複数あるのではないでしょうか。
もしかすると、それぞれについては「専門というほど詳しくない」と思っているかもしれません。しかし、それらの組み合わせを考えてみてはどうでしょう。
なんらか「もしかすると、自分が一番詳しいかも」と思える組み合わせはありませんか? それこそがあなたの専門性です。
昨今は企業が従業員に「キャリア自律」を促す流れです。
「自分のキャリアは自分で考えて選びたい」という若手社員が増えている一方、社命異動で会社員人生を過ごしてきた60代社員の多くは、キャリアを自分で考えることに慣れていません。
自分の専門性をうまく定義できていないだけかもしれません。
著者:藤井 薫(パーソル総合研究所 上席主任研究員)
電機メーカーの人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームで20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、ソフトウェア開発企業の取締役を経て、2017年にパーソル総合研究所入社。2020年4月より現職。



