「新学期から学校に行けるだろうか」「家庭でどう接するのが正解なのか」——。
発達障害や不登校の子どもを持つ保護者の相談支援を行っているユニポップル代表の瀬名香織さんは、「よかれと思って親がやってしまいがちな対応が、実は子どもを追い詰めているケースが少なくありません」と話します。
夏休み後半、不登校の子どもを持つ親が「絶対にやってはいけない3つのNG行動」と適切な向き合い方について、瀬名さんにお聞きしました。
【NG1】「友達? 先生? 勉強?」と追及する“事情聴取”
「学校に行きたくない。でも、なぜなのか本人も理由が分からない」——不登校では、このように理由がはっきりしないケースが実は少なくありません。何か1つの大きな原因があるとは限らず、小さなストレスや違和感が積み重なり、子ども自身も言葉にできなくなっているのです。
しかし、わが子から「学校に行きたくない」と言われると、親はどうにか解決したくて「友達と何かあったの?」「先生?」「どの教科が嫌なの?」と理由を特定しようとしてしまいがちです。
瀬名さんは「理由を答えさせようと追及し続けないことが大切」と話します。特に中学生くらいになると、「休むためには大人が納得する理由を言わなければ」と考え、いくつもある要因の中から「数学が嫌」「○○君が嫌」など、1つだけを理由として挙げることもあります。
それを親が額面通りに受け止め「じゃあ数学だけ休めば行ける?」と解決に走ると、会話がすれ違い、子どもはさらに口を閉ざしてしまいます。
大切なのは「犯人探し(事情聴取)」ではなく、「行きたくないんだね」と今の気持ちをそのまま受け止めて、子どもが何を感じているかを話しやすい状態を作ること。話していくうちに子ども自身も気付いていない本心が出てくることもあるのです。
【NG2】「遊ぶ元気があるなら学校へ行きなさい」と好きなことを禁止する
学校には行けないのに、好きなことには夢中になる。外出もするし、楽しそうに過ごしている。例えば、学校を休んでいるのに、大好きなカードを買いに行ったり、カードバトルには元気に参加したりする。そんな姿を見ると親は、「こんなに元気なら学校にも行けるのでは?」「好きなことばかりして、このままでいいの?」と思ってしまいがちです。
しかし、瀬名さんは「学校以外で元気であることと、学校へ行ける状態であることは全く別です」と話します。
瀬名さんが勧めるのは、むしろ「好きなことを一度しっかり応援する」こと。好きなものを無理に取り上げたり、「学校に行かないなら○○は禁止」といった形で学校に行くことを条件づけたりすることはNGです。大人に理解され、応援されているという安心感は、子どものモチベーションにつながります。
好きなことに没頭することで、子どものエネルギーが戻ってきたときに、「学校へ少し行ってみようかな」「フリースクールに行ってみようかな」「家で勉強してみようかな」と次の選択肢につながることもあります。
大切なのは、「学校へ戻すために好きなことを応援する」のではなく、「好きだから応援する」。その姿勢がポイントです。



