不登校でも「欠席」にならない場合がある? 現役教師が明かす、令和の学校の知られざる変化

近年、増加傾向にある小中学校の不登校者数。理由も多様化しており、それにしたがって学校での対応もオーダーメイド化してきています。今回は、現役小学校教師である松下隼司さんに、令和の不登校対応についてお聞きしました。(画像出典:PIXTA)

不登校対応
令和ならではの不登校対応って?(画像出典:PIXTA)
かつては「不登校」といえば、担任が毎朝のように玄関先まで迎えに行く……そんな光景が一般的でした。しかし今、学校現場では大きな変化が起きています。

文部科学省が発表した最新の調査(令和6年度)によると、小学校における不登校児童数は13万7000人を超え、過去最高を更新。もはや不登校は「特別なこと」ではなくなっています。

そんな中、学校の先生たちは一人ひとりにどのような対応をしているのか。教室に来られない子どもの学びや居場所をどう守ろうとしているのか。現役小学校教師の松下隼司さんにお聞きしました。

【質問】

令和の不登校対応では、どのようなことをしているのですか?

【回答】

無理に登校させることをゴールにするのではなく、一人ひとりの背景に寄り添った「オーダーメイドの対応」を日々模索しています。

どういうことなのか、詳しく解説します。 
先生を続けるための『演じる』仕事術
先生を続けるための『演じる』仕事術

※本記事で紹介している商品の購入やサービスの利用により、売上の一部がオールアバウトに還元されることがあります。

一律の対応はもう古い? 不登校への「寄り添い方」の新常識

不登校とひと言に言っても、全ての子どもに一律に同じ対応をするわけではありません。

病気なのか、友達や学校の先生との関係なのか、はたまた学校の雰囲気自体が嫌なのかなど、不登校の原因を一人ひとり明らかにしていく必要があります。中には、なんとなく行きたくないという子どももいます。

いかなる理由でも頭ごなしに「いいから学校に来なさい」というのではなく、まずは本人の気持ちを尊重し、その上で保護者とどのような対応を取るか相談、確認をしていきます。

不登校の中でも、朝起きられないという理由で学校に来られない子がいます。そういう子どもの場合は、保護者に確認をとった上で、朝迎えに行ったり電話をしたりすることで、状況が改善する場合があります。

どのような対応をするにしても、保護者に確認して実行するというのが大原則ですが、ごくまれにご家庭となかなか連絡がつかないというケースがあります。そうした場合は、学校だけで抱え込まず、関係機関と連携してお子さんの安全や健康状態を慎重に確認することもあります。

通知表に“斜線”は引きたくない……先生たちの評価への葛藤

コロナ禍にオンライン授業が全国で一斉に行われましたが、その経験が不登校対応にも役立っています。

私の勤務校では、学校に来られなくても、授業を配信することで一緒に授業を受けることができるようにしています。家からはもちろん、教室に入れないという子には保健室などに別室登校してもらい、そこから授業を聞けるようにしています。

その際、画面をオンにするかオフにするか、双方向で話せるようにするかどうかも事前確認のポイントです。画面が見えるようにするのはしんどいという子もいますから、一人ひとりのできる範囲で授業に参加してもらっています。

最近ではオンライン授業の回数や時間などもしっかり記録をとるようにしており、それを指導要録に記載するようになってきました。以前までであれば授業を欠席していることになっていた子も、学校で学習したという記録を残せるようになっています。

学校で購入したドリルやプリント類は保護者経由で本人に渡し、記入して教師に提出してくれたものは評価に反映します。

不登校だからといって勉強を全くしていないという子どもばかりではなく、各家庭でしっかりと学習を進めている子も多いです。そういう子は学校としてもしっかり評価してあげたいと考えています。

ただ、体育などの実技系の教科を中心に、どうしても評価を付けられず通知表に“斜線”を引かざるを得ない項目もあります。そのような評価になる場合も、保護者に説明をしながら記入するようにしています。 
次ページ
「ゲーム」が学校と子をつなぐ架け橋に?
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    映画『未来』で描かれる児童虐待、いじめ……注意が必要な点と、どうしても気になったこと。それでも見てほしい理由は

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    南海電鉄の新・観光列車「GRAN 天空」は“高野線の救世主”となれるか。100年ぶりサービス復活の勝算

  • どうする学校?どうなの保護者?

    修学旅行はなぜ「高い」? “ぼったくり説”は誤解か。先生の自腹や負担など、保護者が知らない裏事情

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    「移民」に冷たいのはどっちなのか? スイスの厳格過ぎる学歴選別と、日本の曖昧過ぎる外国人政策