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「なぜ」を考える生徒ほど大きく伸びる
低学力層に対しては、本質の理解や教科のおもしろさを定着させるのに時間はかかるが、なかには徹底して「なぜ」を追い求める者も出てくる。
本質を追究するにあたって、高学力層は異端であることを恐れて「これが分からない自分がおかしいかもしれない」という発想が芽生えるが、低学力層は意に介さず、自分の納得できる答えを見つけて「なぜ」を解こうとする。
こうして彼らが走り始めたら、必要な暗記にも、ドリルの訓練にも積極的に取り組む。そして大化けするのだ。
今こそ問われる「予備校文化」の価値
はじめに暗記とテストありき、という事務局の発想はその芽を摘むものであり、受験生の希望に沿って上位の大学へ合格させるという予備校の使命から考えれば、目指す方向が逆ではないか——というのが現場講師の言い分だった。
予備校には、難関大学を目指す受験生ばかりが集まるわけではない。高校1年でつまずいたとか、いや中学レベルもあやしいとかいう層もいる。
大学進学率が6割近くなったいま、学生の多様性は学力レベルにも及んでいる。言ってしまえば、中学生レベルの学生がいるということだ。
予備校は彼らをどう教育するか、成果をあげられるか。受験文化、予備校文化が今こそ試されているのだ。
この書籍の執筆者:小林哲夫 プロフィール
教育ジャーナリスト。1960年神奈川県生まれ。94年の創刊から『大学ランキング』編集担当。著書に『予備校盛衰史』、『「旧制第一中学」の面目』(ともにNHK出版新書)、『関関同立』(ちくま新書)、『改訂版 東大合格高校盛衰史』『京大合格高校盛衰史』(ともに光文社新書)、『中学・高校・大学 最新学校マップ』(河出書房新社)、『高校紛争 1969─1970』(中公新書)など。



