かつては、専業主婦が子どもの学習をフルサポートするのが「中学受験の標準モデル」でした。しかし今は、共働き家庭が多数派です。
物価や私立中学の授業料の上昇もあり、「共働きでなければ中学受験は無理だ」と考える家庭も少なくありません。当然、共働きになれば親が子どもの勉強に割ける時間は激減します。その結果、塾側にも単なる学力向上だけでなく、「多忙な共働き家庭に代わって子どもの学習全般をサポートする」というサービスが求められるようになっています。
塾選びの新基準は「親の負担軽減」? 早稲アカはなぜ人気?
こうした変化の中で、首都圏の中学受験塾の勢力図にも変化が生じています。かつては圧倒的な合格実績でブランド力を誇ったSAPIXが「一強」ともいわれた時期がありました。しかし近年は、早稲田アカデミーが生徒数を伸ばしています。
早稲田アカデミーの跳躍の理由の1つは、校舎数を増やしたことで送り迎えが難しい家庭にも選ばれやすくなったことです。自宅から徒歩圏内の塾であれば、授業のない日でも自習室で勉強させることができます。
共働き家庭にとって、「偏差値が伸びること」はもちろんのこと、家庭での学習量を減らし、「なるべく塾に任せられること」が塾選びの重要なポイントになっているのです。
王者SAPIXも動いた! 進む「手厚さ」へのシフトと、越えられない“壁”
「自習室の完備」「可能な限り、いつでも質問対応」といったサービスは、早稲田アカデミー以外のほとんどの大手塾も以前から行っています。日能研や四谷大塚、栄光ゼミナールも、もちろん対応しています。こうした中で注目されるのが、SAPIXの変化です。
SAPIXは自習室がなく、質問対応は授業の後だけ、宿題チェックは基本しませんでした。ところが校舎によっては宿題チェックを始めていると言います。ノートを回収し、生徒がきちんと宿題をこなしているか講師が確認するケースもあるようです。
従来は宿題の丸付けを保護者が行うスタイルだったことを考えると、サービスが着実に進化しているといえるでしょう。



