月26万超の塾代、毎朝6時のドリル伴走…約600万を投じてわが子を「最難関」へねじ込んだ母の告白

中学受験で難関校の合格をつかむには、やはり親の経済力と伴走が不可欠なのか。3年間で約600万円もの教育費を投じたある家庭の実態から、過熱する「課金ゲーム」の現実に迫ります。(画像出典:PIXTA)

多額の教育費と親の伴走を経てつかんだ最難関校への切符。しかし、合格の先には意外な葛藤も……(画像出典:PIXTA)
多額の教育費と親の伴走を経てつかんだ最難関校への切符。しかし、合格の先には意外な葛藤も……(画像出典:PIXTA)
中学受験は「課金ゲーム」と言われて久しいですが、実際、大手塾に入って宿題をこなしていけば、相応に偏差値は上がっていきます。

ただ、大手塾の宿題を1人でこなせる小学生はそうそういません。親がつきっきりで勉強を見るか、あるいは個別指導塾に外注するか。この2択で「勝率が上がる」のが、今の中学受験の現実です。

しかし、親や個別指導の講師によって「無理やり勉強させられた」子たちが、難関校に入学した後にどうなるのか……。そう懸念を抱く方も多いでしょう。

今回ご紹介するAさんも、娘を週3回個別指導に通わせ、最難関女子校への合格を勝ち取った1人です。まずは、合格までの道のりと、そこで費やされた「コスト」を見ていきましょう。

1コマ約1万8000円。跳ね上がる教育費

共働き家庭のAさん夫婦は、そろって中学受験経験者。世帯年収は1500万円です。娘さんは年長から公文式で国語と算数を学び、小学3年の2月から中学受験塾に切り替えました。

4年生末の偏差値は60前後。Aさんの仕事が多忙になったこともあり、この時期から近所の個別指導塾を利用し始めます。講師1人に対して生徒2人のスタイルで、週1回算数を見てもらい、月謝は約1万7000円でした。

ところが、算数の成績が伸び悩んだことで、Aさんは中学受験専門の個別指導塾「SS-1」に問い合わせます。運よく空き枠があり提示された授業料は、なんと1コマあたり約1万8000円。

「前の個別指導塾の1カ月分が、わずか1回分の費用でした。でも、職場の先輩が息子さんをそこへ通わせて慶應普通部に合格させていたんです。物は試しと思い、通わせることにしました」

すると、3カ月後には算数の成績が上がり、全体の偏差値が65を超え、大手塾のクラスも上がりました。高額な料金設定でも客が絶えないのは、それなりの結果を出すからに他なりません。

成績が上がると、塾からは「御三家や豊島岡も狙える」と言われ、娘さんは憧れていた最難関女子校へとターゲットを絞ります。

「その学校出身の友人や同僚は、自立したしっかり者が多い。娘にもそうなってほしいと、私自身も強く願うようになりました」

合計600万円を投じ、つかんだ「最難関」への切符

最難関校に合格するためには、4教科全てでムラなく得点する必要があります。Aさんは社会と理科の底上げを図るため、さらに個別指導を追加することにしました。

「暗記科目である社理は、進捗管理さえしてくれればいい。そう割り切って、以前通っていた近所のリーズナブルな個別指導塾を再び利用することにしました」

以前は「1対2」でしたが、今回は「マンツーマン」にしたため、1教科あたりの月謝は3万4000円。社会に続いて理科も受講させると、2教科で計6万8000円が加算されます。

その結果、6年生になると個別指導塾への支払いは月額14万円ほどに。これとは別に、集団塾の費用もかかります。集団塾は6年生だけで年間約150万円。トータルすると月々の教育費は約26万5000円、年間で約320万円という計算になります。

5年生時の個別指導代や集団塾のオプションなども含めると、3年間で集団塾と個別指導に投じた総額は約600万円に達しました。

「それでも、課金額としては特別多い方ではないと思いますよ。5年生からSS-1やTOMASで複数教科を見てもらっている子や、4年生から4教科全ての宿題を個別指導で見てもらっている子もいましたから。

過去問対策も、うちは夫が見ていましたが、家庭教師に丸投げする家も珍しくありません。『うちは個別を使わない方針』と言っていたママ友も、結局は開成出身の東大生家庭教師にお願いしていました」
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高額塾で結果が出る家庭と出ない家庭の決定的な差
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