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親しみやすさの裏にある人間的魅力
もっとも、陛下は決して「四角四面」なお方ではありません。一方で、非常にユーモアを解す性格であることも、よく知られています。
たとえば、立太子礼(天皇が皇太子を内外に宣明する儀式)後の記者会見で、皇太子の正式な称号である「日嗣の皇子」にちなみ、「これまでは日嗣(ひつぎ)の“見込み”でしたが、ようやく日嗣の皇子(みこ)になりました」と、軽やかなユーモアを交えてお話しになりました。
また、外国からの留学生が「私は日本のアニメのナルトが好きです」と申し上げたところ、「そうですか、私はナルヒトです」とお応えになったという微笑ましい逸話もあります。
さらにある日、大学の行事にOBとして参加なさった際には、机を並べる作業中にふとした拍子に動けなくなり、その場で「“出んか(殿下)”になってしまいました」と、冗談を交えて場を和ませられたという話も残っています。
このように、天皇陛下には、穏やかさと冷静さ、そしてストイックなご姿勢の裏に、軽妙なユーモアのセンスが自然とにじんでいるのです。
天皇陛下は、形式にとらわれすぎることなく、人としての温かさや知性をもって接してくださる。だからこそ、多くの人が自然に敬意と親しみを感じるのでしょう。
この書籍の執筆者:竹田 恒泰 プロフィール
作家、実業家、皇學館大學非常勤講師。1975年、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫にあたる。慶應義塾大学法学部法律学科卒。専門は憲法学・史学。『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞受賞。2021年に第21回正論新風賞受賞。『天皇の国史』(PHP研究所)、『現代語古事記』『古事記完全講義』『竹田恒泰の特別講義 天皇と皇族』(以上Gakken)など著書多数。近年は、歴史教科書の執筆・出版、古墳型墓所の設計・販売なども行っている。



