問題の根に「学校に適応できる子=標準」の考え方
筆者がTさんからこの話を聞いてまもなく、事態が動き出しました。5月中旬、文部科学省は非喫食者支援の考え方についての文書を各都道府県に発出。恒常的に給食を食べられないケースについての考え方の例示を含む内容だったようです。その後、TさんがY市教育委員会に確認したところ、今回の文部科学省の文書を参考に、同市でも不登校の子どもを非喫食者支援の対象に含める方向で制度を見直すと聞いたとのこと。
そもそも、Y市が当初「年間94日以上出席していない子どもを対象外」としたのはなぜだったのでしょうか。
筆者がY市教育委員会の担当部署に問い合わせたところ、同市では国の施策が決まる前から独自の補助金制度を準備しており、これが学校に出席していること(年間94日以上)を要件としていたため、ということでした。
不登校の場合も「対象となっているか」自治体に確認を
Tさんはこう語ります。「この問題の根っこには、制度を設計する際、学校に適応できる子どもを標準としてきたことや、そこから外れた子どもや家庭への想像力の薄さがあると思います。これでは困難を抱えている家庭ほど支援から切り離されてしまうでしょう。
Y市では制度が見直される方向ですが、不登校を除外している自治体はほかにもあります。この問題がもっと広く認識されて、国が設計した支援がみんなにきちんと届くようになってほしいと願っています」
2026年5月末現在、筆者もいくつかの自治体のホームページをのぞいてみたところ、非喫食者支援は「アレルギー等身体上の理由」のみが対象のように読み取れる説明が多いように感じました。
お子さんが不登校などで給食を食べられていない方は、お住まいの自治体に、「非喫食者支援の対象になりますか?」と問い合わせてみてはどうでしょうか。もし支援対象から外れている場合は、制度見直しのきっかけになるかもしれません。
この記事の執筆者:
大塚 玲子
ノンフィクションライター
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。新刊は『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』、ほか著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』など。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。https://ohjimsho.com/
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