「僕にとっては当たり前の視点が、どうやら他人にとっては偏屈だったり面倒くさかったりする」と本書の冒頭で述べているように、「ひねくれ者界のひねくれ者」である小川さん。普通なら悩みの種になりやすい人間関係についても、小川さん独自の視点で極力ストレスを抱えない考え方をされているようです。
今回はコミュニケーションにまつわる苦手意識について、小川さんにお話しをお聞きしました。
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「コミュ障」だと悩む人は、実は人の気持ちが分かる優しい人
——本書を読むと小川さんは人間関係やコミュニケーション上の問題を、自分の考え方次第で、うまく「いなして」いるように見えます。コミュニケーションが苦手で、「コミュ障」であることが悩みだという人に何かアドバイスをいただけますか?小川さん:自分はコミュニケーションが苦手だ、コミュ障だと言う人ほど、話は相手にちゃんと伝わっているか、あるいは相手は自分と一緒にいて本当に楽しいのだろうかと、きちんと考えたり、感じたりできていますよね。相手の快・不快や不満を感じ取れているということだと思います。
それを気にしているからこそ、苦手意識があったりするんですけど、本当に下手な人って苦手意識もないと思うんです。むしろ自分でコミュニケーション強者だと思っている人ほど、自分の話を相手に押し付けているだけだったり。だから、コミュ障だと思っている人は、僕からするとコミュ障ではないです。
無言だって、「無」なだけであって「不快」も与えていないですよね。沈黙を生み出しているのは、自分だけのせいじゃなくてその場にいる全員の責任ですし。気まずく感じるなら、それはあなたが優しいだけで、あなたのせいではないですよ。
最初から完璧に話せる人はいない。「生煮えの話」ができる相手を持とう
——そうは言っても、沈黙以前の問題として言いたいことがうまく伝わらないという状況もあると思います。説明し過ぎてもくどいですし、足りないと分かりにくい。小川さんの場合はどうやって話を組み立てているのでしょうか?小川さん:僕も何かの話をするとき、1回目ではそんなに満足する出来にならないです。何度も同じ話をしているうちに、例え話が分かりづらければ別の例えを試してみたりとか、ディテールを変えたりとか、推敲しますね。
だから大事なのは、まだ完成系じゃない生煮えの話をしゃべれる相手がいるということだと思います。家族でも友人でもいいのですが、一度話してみて、こういう話し方をするとここが伝わりづらいなとか、ここはよかったなとかが分かると、他の人と話すときによりよい形でしゃべれたりしますね。最初から完璧に話せる人はなかなかいないと思います。
僕が知る限り、話がうまい人って大体そういう完成系じゃない話ができる相手がいますね。例えば芸人さんとかもラジオでまず一度話してからそれをネタにしたりとかするじゃないですか。話のプロですらそうなので、普通の人なら最初からうまくしゃべれなくて当たり前だと思いながら、その状態でも話を聞いてくれる人がいると理想的ですね。
最近だったらChatGPTなどのAIもあるので、試しにAIに話してみるのもいいんじゃないですかね。僕の周りの小説家でも、AIに話して考えをまとめていくという人もいますよ。AIは絶対につまらないって言わないし、無限に付き合ってくれるので。



