「クラス分け」と「担任」を直前まで教えてくれないのはなぜ? 現役教師が明かす深い理由

「担任は誰?」「誰と同じクラス?」一刻も早く知りたいのに、発表の瞬間まで先生たちが絶対に口を割らないのはなぜ? 新年度初日、先生たちが徹底して情報を隠し通すのには、深い理由がありました。(画像出典:PIXTA)

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最高の「出会いの瞬間」を作るベテランの配慮

私は、始業式後はとにかく「子どもたちがザワザワする時間」が短くなるようにクラス分けを発表しています。

具体的には、始業式後にクラス発表を教室前で行い、その後すぐに自分の教室に入るよう促す、教室に入った後もあらかじめ決めておいた座席に素早く座らせるようにしています。

子どもたちがクラス分けについて一喜一憂する時間をとにかく短くするために、発表されてから教室に入るまでの動線を極力短くし、席についたらすぐにクラスとしての時間を始めるのがポイントです。

この方法にしてから、子どもたちが始業式の日に過度にざわつくことがなくなりました。

もちろん、子どもたちにはいろんな思いがあると思いますが、まず初日には新しい仲間との出会い、先生との出会いの瞬間を大切にしてほしいと思っています。

そのために、少なくとも教室の中では不安な思いや嫌な気持ちにならないようにこうした配慮をしています。 

「聞く姿勢」を作る仕掛け。1年間の土台を築くレクリエーション

教室に入ってからは、新しい学用品に名前を書いたり、翌日以降のクラスのルールについて話をしたりといった時間もありますが、私は子どもたちとの距離を縮めるためのレクリエーションを必ずするようにしています。

低学年ならジャンケンだけでも盛り上がりますが、学年が上がってからはさらにもう一工夫することも。

よくするのが「船長さんは言いました」というゲームです。

ルールは「船長さんが言いました」の後に続く指示に従うだけの簡単なゲームです。「船長さんが言いました、皆さん立ってください」と言われたら立つ、という感じですね。

「皆さんとても上手ですね、では座ってください」と、「船長さんが〜」なしの引っかけ指示を混ぜると盛り上がるのですが、このゲームは教師と子どもの心の距離を縮めるだけではなく「楽しく先生の言うことを聞く習慣」を身に付けてもらうねらいも含まれています。

遊びの中で「ルールの中で楽しく活動することの大切さ」を感じてもらいたいと思い、このレクリエーションを行っています。

そのほか、ミニすごろくシートを用意して、隣の席の子ども同士でやらせる場合もあります。これには、子ども同士のコミュニケーションの様子を見ることで、どんな子たちなのかをうかがう意図があります。

始業式後、先生が子どもたちと関われる時間は約3時間。その中で、これからの学校生活にワクワクし「明日からも学校に行きたい」と思ってもらえるようにするために、朝から先生たちはかなり綿密にスケジュールを立てているのです。
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お話を聞いたのは:松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊『がっこうとコロナ』(教育報道出版社)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。

この記事の執筆者:大塚 ようこ
子ども向け雑誌や教育専門誌の編集、ベビー用品メーカーでの広報を経てフリーランス編集・ライターに。子育てや教育のトレンド、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。
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