なぜ今、これほどまでに受験熱は高まっているのか。激変する入試日程のなかで、志望校選びの戦略はどう変わったのか。教務本部本部長・竹中孝二氏の解説から、2026年入試の「実態」と「最新トレンド」をリポートします。
なぜ「少子化」でも受験熱は冷めないのか?
まず、教務本部本部長の竹中孝二さんは、最新の受験動向や注目校の情報を保護者へ向けて解説しました。1都3県の中学受験率は、今年も過去最高水準をキープ。前年とほぼ同水準の15.2%を記録しました。受験者数が募集定員の合計を上回る状態は2020年以降続いており、少子化が進む中でも受験熱は冷める気配を見せません。
その背景には「私立中学のよさが広くアピールされるようになった」という変化があるとのこと。
コロナ禍を機に各学校がホームページなどのネット経由での情報発信を強化。また、SNSの口コミなどから保護者が学校の雰囲気や取り組みを事前に詳しく調べやすい環境が整いました。
私立中学の中身を知ることができるようになると、保護者が「この学校ならうちの子に合っている」と思い、それが中学受験のきっかけになっていくのです。
キーワードは「早期決着」。W出願と午後入試が変えた受験の新常識
入試のトレンドとしては、「早期決着」があります。中学受験は1月の埼玉、千葉入試からスタートする受験生も多いですが、それに加えて近年は午後入試を活用する受験生が増えています。早稲田アカデミーの生徒の出願校は平均8.23校に対し、実際に受験した校数は6.22校。差が今年初めて2校を超えました。
つまり、2月2日の受験校をあらかじめ2校申し込んでおき、2月1日午後入試の合否結果によって、2日の受験先を「強気」か「安全」かで選ぶ。そんないわゆるW出願や、2月3日までに進学先を決めて4日以降は受験しない「早期決着」のスタイルが増えています。
一方で、2月4日以降は、すでに合格している学校よりもさらに難易度が上位の学校に挑戦する受験パターンの方もいます。
男子の2月1日午後入試の受験率は50%を突破。女子はさらにその割合が高く、1科目・2科目入試(算数のみ、国語のみ・国語と算数のみなど)の導入校が増えたことで、午前中の受験後でも無理なく臨める環境が整ってきました。
午前中に4教科の入試を受けて疲労しているなか、その後にまた4教科の入試を受けるとなると体力的な負担が大きくなりますが、1教科や2教科なら試験時間も短くて受験しやすいわけです。
一方で、午前入試で面接があると、何時に終わるか分かりません。午後入試は集合時間を遅くするなど、学校側の柔軟な対応も普及の後押しとなっています。



