「暗記の限界」が見えた2026年中学受験。開成・灘・桜蔭…難関校が求める「試行錯誤する力」とは

早稲田アカデミーの入試報告会から見えた、2026年度中学受験。長文化が落ち着き「質」へ転換した国語や、「数感」が問われる算数など、難関校合格のために今から親子で取り組むべき対策のポイントを解説します。(画像出典:PIXTA)

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早稲アカが分析する、難関校合格に必要な“読解力”と“数感”とは(画像出典:PIXTA)
2026年3月8日、早稲田アカデミーが開催した中学入試報告会では、国語・算数・社会・理科の各担当者が登壇し、今年の入試問題を分析しました。

2026年の入試問題は、単なる知識の詰め込みでは太刀打ちできない「思考の深さ」を問うものが目立ちました。AI時代において、トップ校は子どもたちに何を求めているのか? 4教科の入試動向から中学受験の「今」と「これから」を解き明かします。

【国語】「量より質」への転換。初見の文章に立ち向かう“高度な読解力”を

まずは、国語。登壇したのは、中学受験部国語科責任者・本多弘篤さん。はじめに国語の入試問題がどう変化してきているかが語られました。

2001年に開成中の国語の入試が記述問題を増やしたことを機に、中学入試全体の難度が上昇し、2010年代前後はやや長過ぎるように見える長文や記述の量が多い問題が目立ちました。

近年は長文化が落ち着いてきて、「新たなフェーズ」に突入していると本多さんは言います。大学入学共通テストの影響を受け、受験生に高度な読解力が求められる時代になっています。

注目すべきポイントは、出題作品の約59%が直近2年以内に発表・刊行されたものだったという点です。塾のテキストや模試で見たことがある文章ではなく、本番で初めて出会う文章に立ち向かえる力が不可欠です。

テーマ面では、哲学的・抽象度の高い論説文の増加が顕著でした。また、灘中が出題したパレスチナ系詩人の詩「おなまえ かいて」は、ガザの紛争地帯で子どもの身元確認のために足に、番号ではなく名前を書いておく習慣を題材にしたもので、ニュースでも大きく取り上げられました。小学生の受験生に人間の尊厳についてまで問う、入試問題の「今」を象徴する一例です。

国語の問題は「量より質」へ転換しつつあります。語彙(ごい)力については、「コスパ」「アプリ」といった外来語の正式名称を問う問題も出てきて、日常生活で言葉に敏感に向き合う姿勢が求められます。 

【算数】合格の鍵は“数感”と“作図力”。「手を動かして試行錯誤できるか」が差を生む

次に算数では、中学受験部上席専門職の岡田聡さんが登壇。今年の印象を4つのキーワードで整理しました。「標準的な難度」「深化と進化」「テーマの拡大は穏やか」「解法技術の習得と論理的思考力は両輪」です。

入試問題自体の難度は標準的な学校が多かった一方、合格最低点が前年よりも下がった学校が目立ちました。

その理由の1つに、「自分の手を動かす問題」が増えたことがあります。グラフを読む問題より、自分でグラフを描いた上でそれを活用していく問題が増え、正答率が下がったのです。

例えば、開成中では30秒ごとに変化するグラフを自分で描き足す高難度の問題が登場しています。限られた時間の中でいかに効率的に手を動かして試行錯誤することができるかが求められます。

計算問題においても学校ごとの特色が表れており、「数感」を必要とする問題も出ています。「156」という数字を見て、「12×13だ」と瞬時に見抜けるか、9702を素因数分解して11の倍数と気付けるかなど、解法暗記ではなく、柔軟な数字に対するセンスが差を生みます。

また、後半の大問では誘導形式の問題も増え、「前の設問の答えが次のヒントになる」という流れになっていることを念頭に置いて解き進める力も不可欠です。

対策のポイントは、解法習得(インプット)とそれを使いこなす力(アウトプット)の両方だといえるでしょう。
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社会・理科の合否を分ける時事問題の対策とは?
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