女性天皇を世論調査で問うことの難しさ
私は世論調査を否定するつもりはありません。ごくごく最近の問題、たとえばマイナンバーカードと保険証の合体のように、今を生きている人の意見を求める必要がある場合、世論調査は参考になると思います。
しかし、女性天皇を誕生させるかどうかは、まさに日本人が築いてきた歴史を十分に考慮して判断しなければならない重要な問題です。
あえて言わせていただくなら、「イエス」「ノー」「どちらとも言えない」くらいの選択肢しか用意されていない世論調査で、女性天皇を認めるかどうかを問うこと自体そもそもナンセンスなのです。
皇統の男系男子で築かれてきた1500年以上の皇室の歴史は、決してお金やモノと交換することはできません。しかし、いったん女性天皇が誕生すれば、1500年の歴史に終止符を打つことになります。
1500年続いた歴史は、1500年たてば蘇るものではありません。たとえ1500年たったとしても、それは以前の1500年とは違う新しい歴史です。
なんとなくムード的に「女性天皇もありでは?」と考えている人たちにお願いします。どうかこの点に心を向けて、今後の皇室の在り方をじっくりと考えていただきたいと思います。
この書籍の執筆者:竹内久美子 プロフィール
1956年、愛知県生まれ。作家、動物行動学研究家。京都大学理学部卒業。同大学院で日高敏隆教授に動物行動学を学ぶ。博士課程を経て著述業に。『そんなバカな!』(文藝春秋)で第8回講談社出版文化賞科学出版賞を受賞。主な著書に『女は男の指を見る』『本当は怖い動物の子育て』(以上、新潮新書)、『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本の心』(文藝春秋)、『皇室論 なぜ天皇は男系でなければならないのか』(方丈社)など。



