血統の原理を失えば王朝は変わる
そもそも、「天皇」という存在の根拠は、徳の高さでも、容姿でも、人格の崇高さでもありません。なぜ今上陛下が天皇でいらっしゃるのか。それは、天皇の血筋に生まれたからです。
生まれたその瞬間から、天皇になる運命を背負った存在——それが天皇です。上皇陛下も、昭和天皇も同じです。これはすべて、皇統という血の流れによって成り立っています。
もしこの「血統の原理」を無視した継承が行われたならば、もはや別の王朝がはじまったに等しくなります。
欧州諸国では、王朝が断絶すると別の王家が王朝を受け継ぎ、国の体制も変わってきました。しかし日本は違います。一度も王朝が変わることなく、万世一系としてつながってきた唯一の国なのです。
しかも今、男系の血筋が完全に途絶えているわけではありません。昭和22年、GHQの占領政策によって臣籍降下させられた旧宮家の人々は、今もなお健在であり、男系男子の血筋を保ち続けています。私の祖父もその一人で、戦前には皇位継承順位を有していました。
そうした血統がまだ存続しているにもかかわらず、「もう男系は無理だから、女系でいい」という結論を出すことは、あまりにも短慮で軽率です。
皇位継承は単なるジェンダーの話では済まない
「男女平等の時代なのだから、女性天皇であっても問題はない」という意見があることは承知しています。しかし、こと皇位継承に関しては、単なるジェンダーの話では済みません。
それは、日本の根幹をなすものであり、国家の同一性がかかっています。軽々しく変えてはいけないものがあるということです。
もし女性天皇が容認されば、その子どもは男子であっても女系であり、即位すれば女系天皇となります。
すると、「それはもう天皇とは認められない」と主張する人が少なからず出てくることでしょう。たとえ時代が変わろうとも、伝統に則ったかたちで皇位継承を守っていくことが、結局は最も確実な道なのです。



