【中学受験】女子御三家・雙葉に合格。偏差値45スタートでも「地頭」を育てた親の習慣

偏差値45から68へ、雙葉中学校に合格した親子の記録。小1からの「なぜ?」の問い掛け、SAPIXとトライの併用、父も隣で勉強した伴走スタイルなど、2年半の工夫と本音を紹介します。

隣にいることが集中のスイッチに。夫婦それぞれが状況に応じて動くサポート法

——社会が特に苦手だったとのことですが、どう対応されましたか?

科目自体をすごく嫌っていたので、「じゃあ実際に見に行こうか」と、気分転換も兼ねて旅行に出掛けるようにしていました。

リアス式海岸を見に三陸にも行きましたし、金閣寺にも行きましたね。新幹線で行ける範囲を中心に、日帰りか1泊2日が多かったです。勉強半分、観光半分で、おいしいものも食べながら過ごしました。

実際に行ってみると、娘も知識の吸収が全然違う印象でした。歴史の年号への苦手意識は最後まで残りましたが、地理については地形的な理解がだいぶ深まったと感じます。

——娘さんの性格を踏まえて、普段の学習で気を付けていたことはありますか?

いろいろなことに関心が分散して飽きやすいタイプなので、「どう気持ちを乗せ続けるか」は、気を配りながら過ごしていました。

できないことがあると、やはり落ち込んでしまう。逆にうまくできたときはやる気につながるので、「じゃあ次も行ってみよう」とノリよく進める。そういうコミュニケーションは常に意識していましたね

——ご自宅での学習環境はどのように工夫されていましたか?

一人で部屋に籠もって勉強できるタイプではないので、リビングで横に座って、テレビを消して、私もパソコンではなく紙の資料を広げるようにしていました。隣に誰かが同じように机に向かっていることが、娘にとっては集中のスイッチになっていたのだと思います。

勉強時間の確保も工夫の連続でした。朝の時間を活用したり、リモートワークを活かして車で送り迎えをし、移動中に勉強してもらったりしていました。小学6年生のときは1日4〜6時間の家庭学習を確保していましたが、隙間時間を使ってなんとかやりくりした感じですね。

——奥さまとの役割分担はいかがでしたか?

役割分担というよりは、家事や勉強のサポートをどちらもできるようにしておいて、互いの仕事の状況に応じて動けるほうが優先的に動く、という形にしていました。

例えば、私がリモートワークで家にいられる日は家のことを全部やって、妻には塾のお迎えに行ってもらう。逆のパターンもありました。

互いの繁忙期も把握していたので、有給の日数も調整しながらやっていましたね。限られた時間と体力を最大限に活かすための工夫でした。

あと、家族3人で一緒に問題を解いて、あーだこーだ言い合う時間はよかったですね。「この問題、ここが引っかかるよね」なんて話をして。家族みんなで取り組んでいる感覚が、娘にとっても安心材料になっていたのではないかと思います。

受験直前期の勉強ストライキを乗り越え、「いつも通り」で送り出した入試当日

——偏差値が45から68まで大きく伸びたとのことですが、どのような経過をたどったのでしょうか。

一気に跳ね上がったわけではなく、積み重ねの結果です。

小学4年生でSAPIXに入った時点では基礎が追いつかず苦労しましたが、5年生からトライを併用したことで流れが変わり始めました。

国語の土台、社会の現地体験、家庭での伴走——先ほどお話ししたことが、1つずつかみ合っていった感覚です。5~6年生にかけて、少しずつ数字に表れるようになりました。

どれか1つが決定打というよりは、こうした積み重ねが複合的に効いて伸びていったという感覚ですね。

——その過程でスランプはありましたか?

ありましたね。単元ごとにわかった気になったけど実は定着していない、ということの繰り返しで、小さなスランプが1週間ごとに来るような感じでした。

そのたびに教え直しながら、「スランプは誰でもあるよ」と話したり、成長曲線の話をして「急に伸びるのは最後で、今その手前にいるんだ」と伝えたりしていました。逆に調子がいいときも「まだまだ伸びるよ」と声をかけていましたね。

——本番が近づくと、娘さんが「もう嫌だ」と“勉強ストライキ”をされたそうですが、どう対応されましたか?

「もう嫌だ」「受けたくない」「集中できない」と。テレビも見たがって、勉強から気持ちが離れていきました。

そのとき伝えたのは、「今まで2年半も頑張ってきたんだからもったいないよ」ということ。加えて、「雙葉に合格したら、都心のほうで遊べるよ」といった、本人が喜びそうなこともできるだけ多く伝えましたね。

最終的には、2年半しっかりやってきたという自負が、娘の中にもあったのではないかと思います。頑張ってきた分の重みがあったからこそ、最後はもう一度立て直し、軌道修正できました。

——受験期間中は、体調面でも苦労されたそうですね。

気分転換がうまくできない時期が続くと、時々微熱を出すこともありました。幸い、本番の直前期に大きく体調を崩すことはなかったのですが、様子を見ながら休めるときはしっかり休ませるようにしていました。

本人も焦る気持ちはあったようですが、無理をさせ過ぎないバランスは常に意識してよかったと感じます。

——受験本番は、2月1日に雙葉、2日に2校を受けるスケジュールだったそうですね。

はい。第一志望の雙葉に合わせてスケジュールを組みながら、2日に受けられる学校を選びました。

ただ、1日のうちに2校受けるのはかなり体力を使いますし、実際に娘もだいぶ疲れていました。

下見についても1つ反省があって。学校見学は夏に行っていたのですが、冬の受験期はまた雰囲気が違いました。直前期にもう一度、会場を下見しておけばよかったなと。大人ならすぐ慣れますが、子どもにとってはやはり緊張するものなので。

——受験本番当日は、どんなふうに送り出されましたか?

いつも通りです。あまり「頑張れ」と言っても疲れてしまいますし、逆にこちらが張り詰めたら娘が気を遣ってリラックスできなくなってしまうので。特別なことはせず、普段どおりの朝を過ごすことを意識しましたね。
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お金も時間もかかる中学受験。並々ならぬ苦労から得られるものとは?
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