猫のグルメすぎる偏食に絶句する飼い主の宿命
fish or chickenって猫に聞けたなら
皿に残ったエサを見つめる
多頭飼いをしているとわかってくるけれど、猫のエサの好みは、さまざまだ。それぞれの猫の好みを把握しながら、できるだけそれに沿うような形で配膳するのも、僕の重要な仕事だ。
「この猫はウェットよりもカリカリが好き」「この猫はゼリータイプよりもスープタイプが好き」「この猫はチキンが好きだけど、サーモンは嫌い」「この猫はカツオが好き」……。
僕自身は好き嫌いなくなんでも食べるというのに、この猫たちときたら。
そんな中で、味の好みが今ひとつわかりづらい上に食が細く、心配な猫がいる。ある日、その猫に普段は買わないフードを試しにあげてみたら、驚くほどガツガツ食べた。「おお、これがアタリだったのか、気づかなくて悪かった」という気持ちだった。
翌日、その猫には当然そのフードを配膳した。そりゃあ、するよね。
ス……。あ……。匂いも嗅がず、食べ物とすら認識していないかのような振る舞い。圧倒的無視だ。「ああ、今の自分の状態がすなわち『絶句する』ということか」と思った。
猫の好みは、わからない。もう無理にわかろうとも思わない。
迷い猫のケガを救ったのは「カップ麺の空き容器」!?
エリザベスカラーがやっと取れた猫
完治したのにむしろ弱そう
このところカップ麺ばかり食べていた。
特に無精をしたわけでも、カップ麺が大好物なわけでもない。
少し前に庭に迷い込んできた猫がいる。その猫は顔に大きなケガを負っていた。「もしかしたら助からないかも」と思いながら、病院に連れていく。
顔のケガを後ろ足で掻いてしまうのを防ぐために、エリザベスカラーが必要だった。今はいろんなタイプがあるんだな……。取り急ぎ購入して装着してみる。うーん……少しエサが食べづらそう。そんなとき「カップ麺の容器で作るといい」という情報が。早速作ってみた。
軽くてコンパクトなのでエサも食べやすそうだし、歩きやすそう。穴が空いたり、汚れたりしたら捨ててしまえるのもよかった。これはいい。見た目以外は。
毎日薬を塗り、二日に一度はカラーを取り替えた。つまり二日に一度、カップ麺を食べていた。
その甲斐もあってケガは随分よくなり、カラーも必要なくなった。カラーを付けていない猫は、どこか物足りなく見える。それだけの時間を要するケガだったということだ。治ってよかった。
あとは、カップ麺ばかり食べていたせいで出っ張ってきた僕のお腹が元通りになれば、完璧だ。
仁尾智 プロフィール
1968年生まれ。歌人。1999年に五行歌を作り始める。2004年「枡野浩一のかんたん短歌blog」と出会い、短歌を作り始める。『猫びより』(辰巳出版)で「猫のいる家に帰りたい」、姉妹誌『ネコまる』(同)で「猫の短歌」を連載中。著書に『猫のいる家に帰りたい』、『これから猫を飼う人に伝えたい11のこと』(ともに辰巳出版)など。
公式サイトhttp://kotobako.com
小泉さよ プロフィール
東京都生まれ。おもに猫を描くフリーイラストレーター。東京芸術大学卒業、同大学院修了。著書に『猫ぱんち―二匹の猫との暮らし―』『和の暮らし』『もっと猫と仲良くなろう!』『さよなら、ちょうじろう。』『うちの猫を描こう!』など。最新刊は『ねこの描き方れんしゅう帖』(日東書院本社)。
公式サイトhttps://www.sayokoizumi.com



