第一志望の巣鴨中学校に合格。最後は行きたい気持ちで勝ち切った
——受験本番を迎える頃は、いかがでしたか?
12月の最後のテストで最低点をたたき出して、私と家庭教師の先生は「このままじゃまずいぞ」と。ただ、本人は全くケロっとしていましたね。「もっと頑張らなきゃ」と頭では理解しているんですが、すごく落ち込むということはなくて「どうにかなるさ」という前向きな感じでした。
あまりに能天気なので、家庭教師の先生と「どうしたら危機感を持ってくれるんだろう?」と話をしていたくらいです。自己肯定感を高く育ててきたつもりでしたが、まさか受験でこんな展開になるとは思っていなかったです(笑)。
年が明けて1月になってからは、プレッシャーをかけてもしょうがないので、危機感を持たせることは諦めました。
模試の成績で点数が足りない中、息子は根拠のない自信を持っていましたが、私としては受からないことを前提に、「受験に落ちたという経験をどうやって本人にとってプラスの経験に持っていくか?」ということの方にもう考えがシフトしていたんです。
なので、「ここまで頑張ったんだから、あとはなるようになるよ」と伝えていましたね。それまでとあまりに私の態度が違うので、初めてそこで危機感を持ったのかもしれないですけどね。
——受験当日はどんな雰囲気でしたか?
受験当日は、もう気楽な感じでしたね。プレッシャーを与えたからといって本領を発揮するとは限らないので当日はいかにリラックスさせるかと考えて、普段通りに接していました。
他の親子が下を向いて黙々と歩いている中、私たちはニコニコ笑って話をしながら会場に向かっていたくらい。でも、息子はそれが逆に怖かったみたいで後で「なんで僕たちだけこんなに普通なの?」と言われました(笑)。
——お母さまの気持ちとしては、合格しなくてもいいという心積もりでしたか?
そうですね。仮に不合格であっても「自分が甘かったな」とか「自分も頑張ったけど、周りはもっと頑張っていたんだ」という気付きがあれば、それでいいと思っていました。
言葉で言われるよりも自分で体験して気付かないと変われないことって多いと思うので、成長の機会になれば充分だなと。
——結果は、第一志望校の巣鴨中学校に見事合格。勝因はどこにあったと思いますか?
本人が「行きたい」と思える学校を見つけることができたことじゃないでしょうか。滑り止めにしていた、巣鴨よりも偏差値が低い学校(サレジアン国際中学校)は不合格だったので。やはり心から「行きたい」と思えるかが、結果を大きく左右すると思うんです。
——中学受験を経て、お母さまから見て息子さんが成長したなとどんな時に感じますか?
巣鴨中学はテストも宿題もとても多いのですが、自分が行きたかった学校に入ったということで、泣き言も言わずに勉学に励んでいます。
入学する前は「受験が終われば勉強しなくていい」という錯覚をしていたようなのですが、環境に順応して頑張っている姿を見ると成長したなと感じます。
受験勉強に本気で取り組んだ2年間があったからこそ、胆力は付いたんじゃないかなと。親子ともに過酷ではありましたが、そんな息子の姿を見ると中学受験して良かったなと思いますね。
取材後記
受験というと「合格・不合格」に意識が向きがちですが、子どもの成長機会と捉えて俯瞰した目で受験と向き合うお母さまの姿が印象的でした。
子どもの個性に寄り添いながら、でも「やると決めたのならやり切ろう」というブレない軸を提示していたからこそ、ご本人も納得感を持って最後まで走り切ることができたのではないでしょうか。
チャレンジすることの大切さと、困難に立ち向かう姿勢に関するヒントをたくさんもらうことができた取材でした。
この記事の執筆者:塾選ジャーナル編集部
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