闇バイトで1度でも犯罪に加担してしまうと、そのことで脅迫され「抜け出す」ことも困難になったり、最悪の場合は殺人にまで発展してしまうケースもあります。誰もが注意をしなければならないでしょう。【闇バイトとは】
SNSやインターネット掲示板などで、仕事の内容を明らかにせずに、短時間で著しく高額な報酬の支払いを受け取れるなどと甘い言葉で誘い、特殊詐欺の受け子や出し子、強盗の実行犯など、犯罪組織の使い捨てとなる実行者を「アルバイト」と称して募集しているもの。
闇バイトの恐ろしさを、フィクションの物語を通じて知る意義もまた大きいはず。ここでは、劇場公開中&公開予定の「闇バイト、ダメ絶対!」と改めて思えること間違いなしの映画を2作品紹介しましょう。
どちらも闇バイトの問題を鋭く描きながらも、ハラハラドキドキのエンターテインメント性が抜群のため、幅広い層におすすめできるのです。
『愚か者の身分』(10月24日より公開中)は闇バイトの若者たちの3日間の物語
『愚か者の身分』は第2回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を原作とした、「若者たちが闇バイトから抜け出そうとするたった3日間の出来事」を描くサスペンスドラマ。実質的に3人いる主人公は、犯罪組織の⼿先として⼾籍売買を⾏うタクヤ(北村匠海)と、その弟分のマモル(林裕太)と、タクヤをこの道に誘った兄貴分の運び屋の梶⾕(綾野剛)です。 彼らはSNSで女性を装い、「パパ活女子」を派遣して、身寄りのない男性たちの個人情報を引き出して稼ぐという、人の道から外れた商売で稼いでいます。その一方で、深夜に勢いでラーメンやカレーを⾷べに⾏ってはしゃいだりする様は、「どこにでもいそうな普通の若者」にも見えるでしょう。
『愚か者の身分』で「幸せになってくれ……!」と願わずはいられない理由
『愚か者の身分』の最大の魅力と言っていいのは、「幸せになってくれ!」と願わずにはいられないこと。劣悪な状況に身を置かざるを得ない事情や、「保身に走る浅ましさ」と「仲間を思う気持ち」の間での葛藤、さらには「正しい道を選びたい」という根源的な願望が、ほんのわずかなセリフからも痛いほどに伝わってくるからです。
「20歳未満の飲酒描写、又簡潔な肉体損傷描写がみられる」という理由でPG12指定がされる過激さもある作品ですが、その林裕太の言葉通りの「優しさ」も多分に込められている物語にも、ぜひ期待してほしいです。



