学校の運営責任者として、校長先生は普段私たちが目にしない場所でも、さまざまな仕事に取り組んでいます。
今回は、学校現場で働く松下隼司さんに、校長先生の仕事内容や、「校長先生が変わることで学校がどのように変わるのか」についてお話をうかがいました。
(今回の質問)
小学校の校長先生は、普段どんなお仕事をしているのですか?
(回答)
学校全体の運営や学校教育目標の設定、そして子どもと働く教師の安全のために日々尽力されています。
「学校の舵取り」をするのが校長先生
一般の教師である私の目から見ると、校長先生は年度末から年度始めにかけてが一番忙しいのではないでしょうか。まず、学校を運営する責任者として、学校の予算を何にどれくらい使うかという予算の設定をします。教科指導に必要な教材の予算はもちろん、「今年は学校として、この活動や指導には特に力を入れたい」というものを決定し、毎年少しずつ割り当てを変えていきます。
私が働いている地域では、「校長経営戦略予算」という予算枠があり、校長がリーダーシップを発揮し、学校ごとの特色を生かした指導をするための予算が割り当てられています。各教科の指導の強化や、地域人材の活用、体験活動の充実などが目的とされているようです。
また、学校の1年間の指導の方針を決める「学校教育目標」「学校経営方針」の設定も校長の仕事です。学校の先生たちはこの内容に沿って1年間の指導を進めていきます。
こうした目標や予算は、学校としての基本方針に加え、子どもたちのアンケート、保護者や地域の方々などからの「学校評価」の内容に基づいて決定されます。
学校に関わる方々の声に応えるべく、最近は、より具体的な数値目標を設定する校長先生も多い印象です。
学校のホームページにこそ、「校長の姿勢」が表れる
ここまでの仕事内容は、普段子どもたちや保護者には見えない側面ですね。では、普段見えている校長先生の姿についても少しお話しします。
まず、校長先生が毎朝校門前に立ち、子どもたちに「おはよう」と声をかけている学校も多いのではないでしょうか。私の働いている地域の校長は、学校にいる日は必ず校門前に立ち、子どもたちの様子を見ています。
ただ立っているのではなく、どんな様子で学校に来ているか、泣いたり暗い表情をして登校していないかを観察しています。
また、授業をしていると、校長先生がふらっと教室に入ってきた、という記憶がある方もいると思います。それもただ見に来ているのではなく、子どもたちの様子や教師の授業の様子を見て、困っている様子はないかを確認しているのです。
そのため、校長によっては授業後、「今日の内容を、少し理解していない様子の子がいたよ」などとフィードバックしてくれる方もいます。
こうして自分自身の目で見た学校の様子を、校長自ら学校のホームページで発信しているという学校も多いです。
私の勤務校の校長は、毎日学校の様子を撮影し、ホームページで発信しています。何日も更新されていないホームページよりも、保護者も校内の雰囲気や様子が分かり、安心できるのではないでしょうか。
学校だよりや年間行事予定などの更新も含めて、学校のホームページは校長の姿がよく表れる場所の1つだと思います。



