保護者対応、働き方改革……多岐にわたる令和の校長先生の仕事
一般教師の私が見ていて一番大変だと思う校長の仕事が、校外学習の引率です。何が大変かと言うと、その頻度です。遠足や社会科見学、宿泊学習、修学旅行……これら全ての引率者として同行しなければいけないわけですから、体力的にもなかなかハードです。
特に遠足などは学年ごとに行うのですが、同じシーズンに集中することが多いため、毎週のように学校を不在にすることも珍しくありません。それも学校全体の責任者として、大事な仕事ということですね。
そのほかの仕事として大きいものは、やはり保護者対応です。学級担任や教頭では対応できない内容について、最終的に校長が対応することもしばしばあります。
保護者にとって納得できる解決策を導くことはもちろんですが、働く教師が1人で抱え込まないよう配慮されています。
最近では、働き方改革への対応として教師の働く環境の整備や見直しにも力を入れている校長先生が多い印象です。以前よりも定時を意識した働き方が推進されるようになり、子どもがいる先生も少しずつ働きやすくなっているのではないでしょうか。
一般の教師が残業することが徐々に減ってきている一方で、校長や教頭などの管理職にしわ寄せがいっている実情もあります。
ある小学校で急な欠員が出て、期間限定で校長がクラス担任を兼任した、という話も聞いたことがあります。これまで話してきた仕事にさらにクラス担任の業務が追加されるとなると、とんでもない仕事量になります。
どの地域でも教員不足が発生していますが、子どもたちの学びを止めないための対応も校長が先頭に立って行っています。
松下隼司さん
大阪府公立小学校教諭。令和4年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。令和6年版教科書編集委員。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門優秀賞などの受賞歴を持つ。新刊「先生を続けるための『演じる』仕事術」(かもがわ出版)など著書多数。voicyで『しくじり先生の「今日の失敗」』を発信中。 この記事の執筆者:大塚 ようこ
子ども向け雑誌や教育専門誌の編集、ベビー用品メーカーでの広報を経てフリーランス編集・ライターに。子育てや教育のトレンド、夫婦問題、ジェンダーなどを中心に幅広いテーマで取材・執筆を行っている。



