【子育て中の親も使える】子どもにイライラしないコツは、ただ1つ。公立小教師が先生を続けられるワケ

子どもに対して思わず感情的になってしまった経験は、誰でも一度はあるはず。子どもと接するプロである先生は、そんなシーンをどのように乗り越えているのでしょうか。現役小学校教師の松下隼司さんが実践している「演じる仕事術」を紹介します。

メリット2. どんなに嫌なこと・つらいことがあっても、気持ちを切り替えられる

家族や交際相手との関係、趣味などがうまくいかないとブルーな気持ちになります。 同僚との関係が悪いと、ダークブルーです。沈んだ気持ちや、イライラした気分のまま授業をしてしまい、子どもたちに心配をかけてしまったことがあります。

そこで、「気持ちを切り替えて授業をしよう」と思うのではなく、「公演スタート! 開幕だ!」と思って授業をするようにしました。ミュージシャンやお笑い芸人が舞台袖 から勢いよくステージに登場するイメージです。

すると、子どもたちもびっくりするほどに、気持ちを切り替えて明るく元気に授業できたのです。休み時間や授業の途中で、子どもの暴言があったりケンカ、いじめ対応をしたりしても、イライラする気持ちを引きずらないで、何事もなくきれいさっぱり忘れたかのように楽しく授業できるようになったのです。演じることは、アンガーマネジメントとしても有効でした。

メリット3. 子育てモードとそれ以外の時間を、切り離すことができる

私の母も妻も教師です。家族も教師だと、“家が職員室”みたいになってしまう……と同僚から悩み相談を受けたことがあります。家でも教師の顔が抜けないのです。実際、 私も仕事モードが抜けず、リフレッシュができないまま毎日を過ごすことがありました。

家族に同職がいなくても、ずっと仕事のことが頭から離れないことがあります。それ でも平気な方もいるかもしれませんが、身近な家族を嫌な気持ちにしてしまうことは避けたいものです。

職を演じるようになって、放課後がものすごく楽になりました。公演終了、閉幕♪ という清々しい気持ちに変わったのです。舞台から楽屋に戻って一息つくような感覚で、放課 後の教室や職員室での時間を肩の力を抜いて過ごせるようになりました。
次ページ
4つ目のメリットは?
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『鬼滅の刃 無限城編』の「4DX」レビュー! 鑑賞前に確認したい5つのこと&感涙必至の魅力【ガチ感想】

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    SNSに「上から目線」があふれるのはなぜ?「祈りの絵文字」を使いたくなる日本ならではの事情

  • 世界を知れば日本が見える

    【解説】参政党躍進に“ロシア系bot”疑惑、証拠なく“自民党の情報操作”との見方も

  • AIに負けない子の育て方

    「学校に行きたくない」その一言に隠された、子どもからの本当のSOSとは【不登校専門家が解説】