早慶上智の評価基準も変化! なぜ指定校推薦・総合型選抜で今、英語資格が“最強”なのか

指定校推薦は「成績が良ければ安心」、総合型選抜は「志望理由書が重要」と思われがちですが、実は両方とも英語資格試験の重要度が急上昇。その背景には大学入試制度の大きな変化があります。(画像出典:PIXTA)

gandhi / PIXTA
英語資格試験が最強の武器になる理由(gandhi / PIXTA)
近年、大学受験で英語の要求レベルが年々上がっています。一般入試では早慶上智で英検準1級が当たり前となり、総合型選抜を受験する際、英語資格があれば評定平均値が低くても出願条件をクリアできる大学も増えています。

では、なぜ総合型選抜でこれほど英語資格試験が重要視されるようになったのでしょうか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(杉浦由美子 著)より一部抜粋し、解説します。

指定校でも総合型選抜でも英語資格試験の重要度が上がっているわけ

総合型選抜で必要になる「志望理由書」「評定平均値」「英語資格スコアなどの英語力」の3つの評価ポイント。志望理由書は評価の基準が外部からは分かりませんし、その評価は大学によってまったく違ってきます。

上智大学の公募制の面接で「君の志望理由書は非常によく書けている」と褒められたという受験生は、MARCHのある大学の総合型選抜は不合格でした。

その志望理由書を見せてもらったのですが、事情はよく分かります。

上智大学とそのMARCHのある大学で好む志望理由書は傾向が違うからです。つまり、上智大学で褒められた志望理由書が、ほかの大学だと評価されないことがあります。

アイドルオーディションに似ていますよね。オーディション番組を見ていても、ある審査員が「この子はダンスの経験が浅いからまだまだだけど、伸びしろがあるからデビューさせたい」と評価しても、ほかの審査員が「完成度が低く、デビューにはほど遠い」と認めない場合もあります。

そのため、志望理由書はどんなに素晴らしいものを書いても、すべての大学の推薦入試で強いわけではありません。

一方で、今、評定平均値は信用できない語り手になってきました。

志望理由書はどこの大学でも評価されるとは限らない、評定平均値もアテにならないから大学があまり参考にしなくなっているのです。

【関連記事】
【大学入試が激変】評定オール5でも学力不明? 推薦入試で起きている「評定平均値崩壊」

英語資格試験が最強の武器になる理由

そうなると、絶対的に頼れるのは英語資格試験のスコアになります。

今、英検はCSEスコアという点数がでます。明治学院大学の出願条件にも英検のCSEスコアが書かれていました。

<参考>
明治学院大学心理学部教育発達学科の、ある年の総合型選抜の出願条件

1. 実用英語技能検定2級合格またはCSEスコア1980点以上
2. TEAP(4技能合計スコア)225点以上 
3. GTEC(4技能合計スコア)930(960)点以上
4. 英語の評定平均値が4.0以上
5. 国語の評定平均値が4.0以上
6. 数学・理科・地理歴史・公民の4教科のうち、2教科の評定平均値が共に4.0以上
7. 全体の評定平均値が3.8以上


CSEスコアの各級の合格基準点(1次試験と2次試験の合算値)はこんな感じです。

・3級:1456
・準2級:1728
・準2級プラス:1829
・2級:1980
・準1級:2304


同じ英検準2級でも、CSEスコアが1820点でもうちょっとで準2級プラスに届いた受験生と、1730点で合格にはほど遠い受験生がいるわけです。この場合、CSEスコアを提出すれば、前者の評価が上になります。

総合型選抜の合否のラインにこの2人が並んだ場合、前者が絶対、有利になるわけです。

評定平均値には高校の教師の主観が入る場合もありますし、志望理由書は大学教授によって評価が違うことも。ところが英語資格試験は客観的な評価です。

そのため、今、総合型選抜や公募制で「手堅い武器」は英語資格試験です。

英検準1級があれば、MARCH以上の合格の可能性もぐんと上がりますし、2級があれば日東専駒や大東亜帝国、女子大を受けるのにも安心感は増します。
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準2級なしにMARCH以上に合格した例はめったにない。だから……
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