フランスでは、自己啓発本は“浅い”と思われている?
そのため、書店側も「自己啓発(développement personnel)」というコーナー表示を避けます。代わりに置かれるのは「セルフケア(prendre soin de soi)」や「ウェルビーイング(Bien-être)」といった棚名。確かに、これまでもフランス人の口から「自己啓発(développement personnel)」という言葉を聞いた記憶がありません。
ということで『IKIGAI』のほかにも、日本的な「思想」をテーマにした書籍がここ数年でじわじわと増えています。
『孫悟空のように考え、行動せよ』
こちらは日本発の漫画『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空を、単なるヒーローではなく“人生のロールモデル”として捉えた本です。例えば、
・子ども心を忘れないこと
・ちゃめっ気を大切にすること
・偏見や軽蔑なしに人と向き合うこと
など、悟空の生き方に学べる“哲学”を、日常生活にどう生かすかがつづられている内容です。
孫悟空がこうしたハウツー形式で書籍化されていることに驚きましたし、日本漫画のキャラクターが“哲学的存在”として捉えられている好例だと思いました。シリーズ本としては、『ワンピース』から着想を得た『Agir et penser comme Luffy(ルフィのように考え、行動せよ)』もありました!



