メンバーの“契約問題”と完全体カムバックへの“期待と葛藤”…課題を抱える「EXO」の現在地

K-POP業界に多大な影響を与えてきた「EXO」。最年少メンバー、セフンさんの除隊を今年9月に控え、完全体でのカムバックも期待されています。ただし、メンバーの契約問題など課題を抱えているのも事実です。EXOの“今”と“これから”について語り合います。※サムネイル写真:アフロ

「専属契約の解約を通知」メンバーの抱える契約問題

ゆりこ:まず2022年の再契約までさかのぼります。その際の条件を巡り、メンバーのシウミンさん、ベクヒョンさん、チェンさんがSMに対し専属契約の解約を通知。結局SMとは再契約したままなのですが、ソロ活動はINB100という新会社を設立し、そちらでやっていくことになったのです。

矢野:たしかD.O.さんも同じく、ソロ活動のために新しい会社を作って独立しましたよね。

ゆりこ:はい。D.O.さんもマネージャーと共に「Company SooSoo」という新会社を設立しましたが、今のところ古巣とも円満にソロ活動とグループ活動を両立しています。だから「EXO:13IRTHDAY HOME PARTY」にも参加していました。でもCBX(シウミンさん、ベクヒョンさん、チェンさん)の場合はそうはいかなかった。以前からSMがCBXの独立とソロ活動に際して出した「売上の10%を支払うこと」という条件に対し反発しており、こう着状態です。他に精算金問題などもあり、争点は1つではないんです。

矢野:利益ではなく「売上」という部分が結構エグいですね。経費などを差し引く前の金額からということでしょう。

ゆりこ:双方の言い分はあると思います。SMとしては長年培った「EXO」ブランドをメンバーに使わせる対価として考えているのでしょう。もっと大きいのは「タンパリング」、つまり、引き抜き行為に対する懸念です。独立前からCBXに対してONE HUNDREDという新興エンタメ企業が声を掛けている疑惑が取り沙汰されました。ベクヒョンさんが立ち上げたという新会社INB100は、ふたを開けてみるとONE HUNDREDの傘下企業となっておりまして……。

矢野:SMとしては、長年育ててマネジメントしてきたグループを新興企業に引き抜かれること、つまりタンパリングを安易に許したくないでしょうね。一方でメンバー側にも積もり積もった不満があったのではないでしょうか。

ゆりこ:これはあくまで私の意見ですが、EXOはこれまでの活躍や貢献度に比べて、SMになおざりにされてきた部分も感じなくはないです。もちろん、メンバーの契約内容の詳細や対価の金額は分かりません。これはメンバーの過失ではありませんが、大量脱退や安定しないメンバー構成、恋愛スキャンダルなど、マネジメントとして頭を抱える部分もあったかもしれない。一方で、いちファンの心情として「もう少しEXOを大事にしてもらえませんか?(涙)」と思うことは多々ありましたよ。SMに多大なる貢献をした立役者なのだけどなあと。

矢野:ゆりこさんが、EXOがデビューしてからのK-POPは「冬の時代」だったと言っていましたよね。SMのレジェンド級の先輩グループたちが諸事情で活動を休止し勢いが落ち着き始め、政治的な問題から日本や中国市場では追い風とは言えない状況でした。そんな苦しい時期を支えたEXO。もしかしたら会社に対して思うことはあるのかもしれません。そんな不満を抱える中でCBXが手を組んだONE HUNDREDは優良企業なのでしょうか?

ゆりこ:今の時点では、なんとも言い難いところですね。ONE HUNDREDの創業者の1人、MCモンさんはこれまでも度々トラブルを起こしており、韓国内ではいわくつきの人物ではあります。彼の個人的な問題と、CBXのマネジメント問題についてはきちんと切り離して考えなくてはいけませんが……。私もさらに調べてみたい部分でもありますし、ご要望があれば別の機会にお話しします。

矢野:ISTエンターテインメントとの契約を終了したTHE BOYZもONE HUNDREDに移籍しましたし、SHINeeのテミンさんが所属しているBig Planet MadeエンターテインメントもONE HUNDREDの傘下の会社ですよね。大手事務所で活躍していた人たちが多く所属しているイメージです。そんな中で、それぞれのメンバーはEXOとしてのカムバックについて、どう考えているのでしょう?
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完全体カムバックへの期待と葛藤
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