ヒナタカの雑食系映画論 第161回

『名探偵コナン 隻眼の残像』4DXの3つの注意点&5つの魅力を解説!「リモコン」の意味は?

『名探偵コナン 隻眼の残像』の4DX上映における、3つの注意点と、5つの魅力を紹介しましょう! 併せて、今回の「渋い」内容を称賛しつつ、気になったポイントもあげ、さらには「リモコン」の意味も考察してみます。(※画像は筆者撮影)

なくなったリモコンが意味しているものは?

最後に、本作では「回収されていない伏線(?)」として話題になっていることがあります。それは「なくなったリモコン」で、これが意味していることは何かという考察が、SNSではさかんに行われているのです。

ヒントとなるのは、小五郎が「今はスマホ(のアプリ)がリモコンになるから便利」などと話していたことと、「(劇中では具体的には示されていないものの)誰がそのリモコンを見つけたのか」ということでしょう。

そこから、なくなったリモコンは、小五郎が「裏で成し遂げたこと」を示していると思えました。

劇中の小五郎のとある活躍は、彼が今では警察ではないからこそ、「表向きには隠さないといけない」ことでした。でも、それこそが今回の事件における解決の要(かなめ)になっていた……つまり、劇中でリモコンを見つけるその場面が「描かれなかった」ことと、今回の事件で「小五郎が実はやっていたこと」はリンクしているのではないでしょうか。

さらに、本質的にはリモコンも、小五郎という人物も、あるいは劇中で亡くなったキャラクターも「代用が効かない」存在なのだと、その必要性や尊さを示しているようにも思えるのです。

こうしたところで議論が巻き起こる、深読みができる面白さも、近年のコナン映画の美点でしょう。ぜひ、リピート鑑賞する際は、4DXも選択肢に入れてみてください。

この記事の筆者:ヒナタカ プロフィール
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
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