K-POP「冬の時代」になぜ? 奇跡のメンバー構成、新しい声…「EXO」が韓国音楽界のトップに立てた理由

2012年にSMエンターテインメントからデビューしたK-POPグループ「EXO」。なぜ彼らは韓国音楽界の頂点に上り詰め、今も残る個性的な名曲をリリースし続けてこられたのか。その理由、時代背景などについてゆるっと本音で語ります。※サムネイル写真:Mydaily/アフロ

EXOの強みは圧倒的な歌唱力のトリプルボーカル。キーとなる“新しい声”とは?

ゆりこ:これは以前お会いした著名ボーカルトレーナーの方がおっしゃっていたことなのですが、声や歌唱法にもトレンドがあるそうなんです。「EXOはベクヒョンさんの声を入れることで新しく、洗練されたものになった」と。それを聞いて心底納得しました。ベクヒョンさんのあまり声を張り上げず、どこか少し肩の力が抜けたスムースな歌い方は今でこそ主流かもしれませんが、かつてのK-POPでは珍しかった。そういった意味で「新しい声」なのです。

矢野:NJZ(NewJeans)や最近SMからデビューしたHearts2Heartsの歌い方もそっちですよね。
ゆりこ:加えて、EXOのリーダーでもあるスホさん、最年長シウミンさんという頼もしいリード&サブボーカルがいるんですよ。年下メンバーにイジられながらも、みんなを温かく包みながらリードしていく“ヒョン(兄貴分)”の2人が、ボーカル面でもEXOの音楽を支えています。清涼感ある声の持ち主スホさん、音域が広くラップもできる器用なシウミンさん。別の事務所やグループだったら彼らだってメインボーカルになれたかもしれない。

矢野:メインボーカルと言ってもそん色ないメンバーが2人もいるなんて! シウミンさんは3月10日に2ndミニアルバム『Interview X』も発売しましたし、初めてのソロファンコンサートも開催するそうです。スホさんもソロツアーを成功裏に終えたそうで、EXOのボーカルラインの厚みに驚いています。

ゆりこ:しかも意外に(失礼!)ラップ担当のチャニョルさんも歌がうまいんです。そして何といってもチャニョルさんとセフンさんのラップラインはグループの華。長身でスタイルも抜群、ステージ上でも映えます。さらに2人は他のメンバーとは一線を画す“ヤンチャさ”が魅力。実際のパフォーマンス上でもグループの“躍動感”を生み出しているのは彼らだと思います。

矢野:セフンさんは最年少とは思えないほど色気のある声と雰囲気で、彼のパフォーマンスには自然と心が踊ります。チャニョルさんは明るくニコニコした笑顔と、その姿からは想像できない渋い低音ボイスのギャップにうっとりしてしまいます。

ゆりこ:そして前々回で天才ダンサーとしてご紹介したKAIさんもソロ楽曲では意外な歌唱力を披露しています。『Peaches』『Mmmh』はよく後輩アーティストにカバーもされていますね。彼はどんどん歌が上達していった印象があります。デビュー当時からは考えられない成長。とにかくEXOは「歌えるグループ」。ライブで生歌を聞いてもがっかりすることはないです。むしろ音源以上のアレンジやアドリブのフェイクに酔いしれてしまい、思わず目を閉じてしまうほど。1秒たりともステージを見逃したくないのに(涙)。
矢野:そのライブ、僕も行ってみたい……! 韓国で社会現象を巻き起こした『Growl(ウルロン)』、最新アルバム『EXIST』など、いつどの曲を聞いても彼らの歌声には感動するばかりなのですが、K-POPアイドルといえば、もう1つ気になることがあります。EXOの“ダンス”についてです。

ゆりこ:KAIさんのダンスに見劣りすることなくしっかりついていける、その上で個々の見せ場を作れるということ自体が、かなり難易度が高い。ファンの贔屓(ひいき)目を抜いても、彼らのパフォーマンス力はK-POPの最高レベルにあると思います。

矢野:歌だけではなく、ダンスも超一流。それぞれの分野でとてつもないスキルを持ったメンバーがグループとして集まったら、それはもう、韓国音楽界の頂点に上り詰めた理由が分かるような気がします。ではあともう1つの「時代背景」という要素についても聞かせてください。
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SMエンタの“黄金期”だったからこそ集められた!? 奇跡のメンバーたち
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