
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
MacBookの寿命ってどれくらいですか?
(回答)
MacBookに限らず、ノートパソコンはバッテリーやキーボードに問題が発生してくるため、平均的に5年前後使われているようです。そのほかに電気的な故障がなければ、OSのサポートが問題になってきます。
どのパソコンもバッテリーやキーボードが劣化します
MacBookシリーズは高品質な製品なので故障はしにくいですが、どのノートパソコンも長期間使用すると、必ずバッテリーが劣化します。場合によってはバッテリーが膨らんでしまい使えなくなることも。長期間使う場合は、数年おきにバッテリー交換などのメンテナンスを受けることをおすすめします。次に壊れやすいのが、常に手に触れて使用するキーボードです。キートップ面がツルツルになるくらいならよい方で、何年も使用しているうちに特定のキーが反応しなくなるかもしれません。ハードウェア的に長期間使いたい場合、丁寧に使用するとか、常に負荷をかける利用を避けるのが基本で、特別な方法は特にありません。
こういった点から、どのノートパソコンも5年程度使用されるのが一般的なようです。
メジャーアップデート終了から2年が目安?
そういったことを乗り越えたとしても、OSのサポートという問題が発生します。2025年現在、最新のmacOS Sequoia(macOS 15)がサポートしているのは2020年以降のMacBook Air、2018年以降のMacBook Pro。それ以前の製品では最新のOSは使えず、使用できるのは以前のOSとなります。
Appleは以前のOSに関しても定期的にセキュリティーアップデートなどを行っていますが、おおむねアップデートが行われているのは2世代前のOSまでのようです。つまり、MacBookシリーズの寿命は、各機能を普通に使えるのがOSのメジャーアップデートをしなくなるまで。安全に使用できるのは、それから2年程度と考えるとよいでしょう。
2025年現在で言うと、普通に使えるのは2020年以降のMacBook Air、2018年以降のMacBook Pro。安全に使えるのは2世代前のmacOS Ventura(macOS 13)が動作する、おおむね2018年以降のMacBook Air、2017年以降のMacBook Proとなります。
今後はより寿命が短くなる可能性も?
しかし、安全に使用できるのがメジャーアップデート終了後から2年程度というのも、今後どうなるかは分かりません。MicrosoftはOSのサポート期限を明確にしていますが、Appleは明確にしていないからです。さらにApple Intelligenceのような、OSに組み込まれるAI機能は、OS自体のサポートよりもさらに新しい製品でしか使えません。2025年2月現在でApple Intelligenceが使えるモデルは、OSの言語を英語にした状態の、どちらも2020年11月提供のApple Silicon M1を搭載するMacBook Pro以降、MacBook Air以降です。
Appleに限らずAI関連機能の進化は非常に速く、今後どうなっていくかはまったく予測できません。常に最新のAI機能を快適に利用したい場合は、従来よりも「寿命」は短くなる可能性もあります。ハードウェアの寿命よりも、OSのサポート終了や先端機能の利用不可の方が早く訪れる可能性があることは、頭に入れておいた方がよさそうです。
この記事の筆者:上倉 賢
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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