「亀戸駅」には何がある? カメイドクロックだけじゃない、レトロ商店街と銭湯に恵まれた歴史の深い街
総武線と東武亀戸線の乗り入れる「亀戸駅」は、23区東部でも錦糸町駅や小岩駅に並ぶ繁華街の1つ。亀戸天神社も有名ですが、降りてみるとほかには何があるのでしょうか。実際に行って確かめてみました!
今風なカメイドクロックと昔ながらの街並み
亀戸のニュースポットもそろそろ開業2周年
総武線「亀戸駅」から徒歩2分の場所にあるのが「
カメイドクロック」! 2016年まであった施設「サンストリート亀戸」の跡地に2022年4月開業した、近年の亀戸を代表する複合施設です。
単なる飲食店街というより、地域住民の通行路としても活用されています
施設内には「
コジマ×ビックカメラ」などの家電量販店をはじめ、飲食店、食料品店、アパレルショップなど数々の店舗が入居。敷地内の屋外通路には「
カメクロ横丁」という飲食店街もあります。
この日はそこそこの陽気だったので、多くの方がのんびり散歩中
また、施設南側の屋外にはイベントスペースも兼ねた広場「カメクロステージ」も。このほか、屋内の吹き抜け部分にも全天候型イベントスペース「カメクロコート」があり、亀戸エリアにおける数多くのイベントが開催されています。
イベントスペースのデザインと利便性を兼ね備えた石ベンチ
イベントスペース脇には石造りのベンチもあり、軽く腰掛けてひと休みしたり、読書したり……といったゆっくりしたいときに助かります。
こうした施設が1つあるだけでも、子育ての大きな手助けになるはず
同じ敷地内には「
亀戸子ども家庭支援センター」もありました。亀戸エリアを歩いて感じたのは、子どもや家族連れがとても多いこと。豊かな住環境を整備し、子育て世代を積極的に呼び込んでいこうとする自治体の姿勢がうかがえます。
お花見スポットとして親しまれる公園も
こちらも多くの人が散歩中でした
カメイドクロックと隣接する「
亀戸緑道公園」は1978年の開園。物静かな場所ですが、春になるとソメイヨシノが満開になり、お花見スポットとして多くの人が訪れるようになります。
昔ながらの区画からカメイドクロック方面を見る
亀戸緑道公園から西側に渡ると、碁盤の目のような正方形の区画割りに飲食店などが点在しています。この区画割りは江戸時代に土地造成されて以来のもので、木材を船で運搬するため、碁盤目状(ごばんめじょう)に水路が張り巡らされた名残なのだとか。
その後は関東大震災、東京大空襲、昭和の区画整理を経て水路もなくなりましたが、亀戸が木場などと合わせて、江戸〜東京における木材流通の拠点だった痕跡が今も残っているのです。
公園の木製掲示板が江戸風味
今では雑然とした生活感ある地域ですが、その中にも「
亀戸南公園」が。亀戸エリアはこうした小さい公園や緑道などがあちこち点在しているのが特徴。公園そのものはよくある見た目ですが、地域の成り立ちを考えると、亀戸と「木」のつながりは今も健在なのかもと考えさせられます。
亀戸は、有名な浮世絵師・歌川国貞(豊国)が暮らした街
首都高下の有効活用
駅前の居酒屋街を南に進んで行くと、首都高速7号小松川線にぶつかります。首都高の下には「
竪川河川敷公園」があり、ちょっとしたお散歩やランニングに適した広さ。アスレチック広場などもあり、市民の運動の場として利用されています。
かなり変わった場所にあるギャラリー
竪川河川敷公園をまたぐ「
五の橋」と、東京電力の専用橋(電線などを通す橋)が並走しているのですが、そこに「
三代歌川豊国(五渡亭国貞)生誕の地・浮世絵ギャラリー」がありました。
希代の浮世絵師が生活していた場所も、今ではすっかり様変わり
歌川国貞(うたがわくにさだ)は、最晩年まで実に50年以上も浮世絵師として活躍し、役者絵など2万5000点もの浮世絵を残した人物です。1844年には師匠の号を継いで「豊国」と名乗るようになりました。また、五の橋がある場所では江戸時代に「五つ目の渡し」という渡し舟があり、その株を持って住んでいたのが豊国だったことから、別名が「五渡亭」となったそうです。
一般人は乗れない貨物列車からの景色って気になりますよね
五の橋から公園へ降りて西に歩いていくと、何かの路線のような高架に遭遇。これは小岩駅〜越中島貨物駅をつなぐ、貨物用の「
越中島支線」の鉄道橋なのだそう。赤く塗られたトラス橋が力強いですね。
亀戸駅北側の商店街に比べると、かなり落ち着いた雰囲気
五の橋に戻ってから「
五ノ橋豊国通り商店街」を北に進んでいきます。
ここの説明を読んでいるだけでもそこそこ時間をつぶせそう
こちらの街頭や建物壁面でも、歌川豊国の活躍や功績に関する紹介がされていました。
「5人そろって!」
なお、豊国と親交のあった河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)は、豊国の描いた絵から着想を得て歌舞伎演目『白浪五人男』を制作。それが後世の特撮ヒーロー番組、スーパー戦隊シリーズの第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(NET系、現在のテレビ朝日系)などにおける“名乗りシーン”のモチーフになったのだとか!
江戸後期に歌川豊国の描いた浮世絵の影響は、巡り巡って最新作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日系)まで続いているのかもしれませんね。
駅北側の商店街は大にぎわい!
かなり個性的な窓デザインの建物が見えます
次は駅北側を歩いてみます。
亀戸のメインストリート
駅前のロータリーから北へ歩いた先は「
亀戸十三間通り商店街」となっています。
歩行者天国
この商店街は
日曜祝日の12〜17時は歩行者天国となっており、取材日は地元の方々から観光客まで、多くの人々でにぎわっていました。
ここからさらにローカル&ディープな通りへ
この通りに面している「
肉のハナマサ」の横には、亀戸十三間通り商店街と接続する「
亀戸中央通り商店街」の入り口が。
これぞ商店街!
ここは狭い道路の左右に、定食屋や餃子屋などローカルなお店が並んでいます。
激安の白菜
個人経営の青果店も複数あり、そのうち1店では、白菜ひと玉なんと税抜318円で販売されていました。野菜の価格が全体的に高騰気味で悩ましい中、この安さはすごくうれしいですね。
本格中華を自宅で料理したいときに行きたくなるお店
また、本格的な中華系食品店や、本格点心を食べられる中華料理屋もいくつか見かけました。この商店街と十三間通りを合わせて、亀戸駅北側は中華系の店舗が目立っている印象です。
亀戸周辺は個人商店も量販店も元気です
個人商店だけでなく、ちょっとした日用品や食品の買い物に便利な「
マックスバリュ」も店舗を構えています。