フランス人が、日本人ほど「ディズニーランド」に熱狂しない理由。両国で異なるキャストの「採用制度」

ディズニーランド・パリは1992年にオープンし、ヨーロッパ初のディズニーランドとして大きな話題を呼びました。東京のディズニーリゾートとはどんな違いがあるのか、フランスに熱心なファンはいるのか、それぞれの特徴を紹介します。(サムネイル画像出典:Ferreiro / Shutterstock.com)

ヨーロッパを行脚するディズニーランド・パリの求人

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ちなみに、「働く場所」としてのディズニーランド・パリはどうなのでしょうか。

実は、ディズニーランド・パリのあるマルヌ=ラ=ヴァレ県には、複数の大学キャンパスがあります。そのため地元の大学生にとってはいいアルバイト先の1つ。実際に、ディズニーランド・パリのキャスト(アルバイト)として働いたことのあるフランス人からは、「とてもいい経験だった」という感想を聞きました。

一方で正社員や契約社員として働く際には、ヨーロッパならではのユニークな採用方法も行われています。

ディズニーランド・パリが実施しているのは、毎年恒例の「キャスティング・ツアー」と呼ばれる採用キャンペーンです。このツアーは、フランス、イタリア、スペインの計7都市で行われ、ホテル、レストラン、レセプション、テクニカルサービスなど、さまざまな職種の採用が行われています。

つまりこれは、採用担当チームがその都市に直接出向いて面接を行うというもの。働きたい人は事前に登録を済ませ、30分程度の面接と、ポジションに合わせたロールプレイングが求められます。

このようにディズニーランド・パリの求人は、フランス人だけでなく近隣諸国の人々にも開放されています。この規模と方法には「さすがヨーロッパ」という印象を受けますよね。もちろん、ディズニーランド・パリではほとんどのキャストが英語話者だということです。

日本との違いを楽しめるディズニーランド・パリ

東京のディズニーリゾートは、「ディズニーシー」のロマンチックな雰囲気や大人向けのエンターテインメントが充実しているほか、日本ならではのホスピタリティ、徹底された清潔度が世界的に評価されています。

ディズニーランド・パリは日本ほど清潔ではないかもしれませんが、フランスらしいアトラクションやヨーロッパのリラックスした接客が楽しめる場所。英語が堪能で国際色豊かなキャストが多いことも、心強いポイントになるでしょう!

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
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