「2024年のベスト映画」を決める前に見てほしい、年末公開の『ソニック × シャドウ』と『型破りな教室』を紹介しましょう! 実は意外な共通点もあったのです。(※サムネイル画像出典: (C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. (C)Pantelion 2.0, LLC)
その熱狂にも納得する、瞬きするのも惜しいハイスピードアクション、愛らしくもかっこいいキャラクターたち、そしてシンプルなようで多層的でもある物語の奥深さ。映画『ソニック』シリーズの最高傑作なのはもちろん、原作への愛情にあふれたゲームの映画化作品としても、ゲームを知らなくても老若男女が楽しめるファミリー向けの娯楽映画としても最高峰の、本当に素晴らしい出来栄えだったのです……!
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
しかも、今回の目玉は、原作で大人気のダークヒーロー「シャドウ」が映画に初登場(字幕版での声はキアヌ・リーブス!)すること。主な舞台はタイトル通り東京であり、渋谷のスクランブル交差点が登場するほか、アニメ映画『AKIRA』などのオマージュがあるのも日本人には特にうれしいところ。東京の街で主人公とソニックとシャドウが文字通りに超音速のバトルをしたり、はたまたチームそれぞれで目的のものを奪おうとする「潜入作戦」が展開するなど、ワクワクする要素が勢ぞろいしています。
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さらに重要なのは、本作が「復讐(ふくしゅう)」にまつわる物語であること。目的のためなら手段を選ばない危うさがあるシャドウの悲しい過去が徐々に明らかになり、それは1作目でずっと孤独だったソニックの姿に重なる部分もあれば、対比にもなっています。さらにはシリーズを通して悪役であるドクター・ロボトニックがソニックと「まさかの共闘(?)」をする流れもあり、その後には驚きの設定もあって、ロボトニックの複雑な心理もより深掘りされているのです。
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個人的に最もグッときたのは、ロボトニックと、助手のエージェント・ストーンとの関係性。2作目『ソニックVSナックルズ』で「ロボトニックの野望である世界征服実現のためにピュアピュアに奔走する」と公式SNSで紹介もされていたストーンですが、今作ではロボトニックとの「友情」をはっきりと意識する場面や、とある理由で「嫉妬」に近い悲しみを抱く場面などもあり、その尊さもまたシリーズ最大級。あるシーンでは大粒の涙があふれてしまいました。
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ロボトニックを演じるジム・キャリーは2作目で引退をほのめかしていたのですが、その発言を撤回。本作への出演で、今まで以上にノリノリに悪役を演じ切っていることもうれしくて仕方がありません。助手のストーン役のリー・マジドゥブもXに「絶対に離さないよ、絶対に離さないよドクター」と投稿するなど、自身が演じるキャラクターのことを「分かっている」感がたまりません。