2024年ベスト映画を決める前に! 年末の傑作『ソニック × シャドウ』と『型破りな教室』の意外な共通点

「2024年のベスト映画」を決める前に見てほしい、年末公開の『ソニック × シャドウ』と『型破りな教室』を紹介しましょう! 実は意外な共通点もあったのです。(※サムネイル画像出典: (C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. (C)Pantelion 2.0, LLC)

ソニックと型破りな教室
『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』 2024年12月27日公開 配給:東和ピクチャーズ  (C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
『型破りな教室』 2024年12月20日 より ヒューマントラストシネマ有楽町・新宿武蔵野館 ほか 全国順次公開 配給:アットエンタテインメント (C)Pantelion 2.0, LLC
そろそろ映画ファンが楽しく「2024年のベスト映画」を決める時期です。しかし、ちょっと待ってください……! その暫定ベストのラインアップを大きく変えるかもしれない傑作が、この年の瀬に上映開始しているのですから……! 実は意外な共通点もある2作品を一挙に紹介しましょう!

1:『ソニック × シャドウ TOKYO MISSION』(12月27日より全国劇場公開中)


日本が世界に誇るアクションゲーム『ソニック』シリーズのハリウッド映画化作品の第3弾です。先んじて公開された北米では週末興行収入は6200万ドルを達成し、強力な競合作品を大きく引き離すぶっちぎりのNo.1スタート。さらにはアメリカの批評サービスRotten Tomatoesでは現在は批評家支持率88%、一般観客の評価では97%という超高評価となっています。

その熱狂にも納得する、瞬きするのも惜しいハイスピードアクション、愛らしくもかっこいいキャラクターたち、そしてシンプルなようで多層的でもある物語の奥深さ。映画『ソニック』シリーズの最高傑作なのはもちろん、原作への愛情にあふれたゲームの映画化作品としても、ゲームを知らなくても老若男女が楽しめるファミリー向けの娯楽映画としても最高峰の、本当に素晴らしい出来栄えだったのです……!
ソニックシャドウ
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
しかも、今回の目玉は、原作で大人気のダークヒーロー「シャドウ」が映画に初登場(字幕版での声はキアヌ・リーブス!)すること。主な舞台はタイトル通り東京であり、渋谷のスクランブル交差点が登場するほか、アニメ映画『AKIRA』などのオマージュがあるのも日本人には特にうれしいところ。東京の街で主人公とソニックとシャドウが文字通りに超音速のバトルをしたり、はたまたチームそれぞれで目的のものを奪おうとする「潜入作戦」が展開するなど、ワクワクする要素が勢ぞろいしています。
ソニックシャドウ
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
さらに重要なのは、本作が「復讐(ふくしゅう)」にまつわる物語であること。目的のためなら手段を選ばない危うさがあるシャドウの悲しい過去が徐々に明らかになり、それは1作目でずっと孤独だったソニックの姿に重なる部分もあれば、対比にもなっています。さらにはシリーズを通して悪役であるドクター・ロボトニックがソニックと「まさかの共闘(?)」をする流れもあり、その後には驚きの設定もあって、ロボトニックの複雑な心理もより深掘りされているのです。
ソニックシャドウ
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
個人的に最もグッときたのは、ロボトニックと、助手のエージェント・ストーンとの関係性。2作目『ソニックVSナックルズ』で「ロボトニックの野望である世界征服実現のためにピュアピュアに奔走する」と公式SNSで紹介もされていたストーンですが、今作ではロボトニックとの「友情」をはっきりと意識する場面や、とある理由で「嫉妬」に近い悲しみを抱く場面などもあり、その尊さもまたシリーズ最大級。あるシーンでは大粒の涙があふれてしまいました。
ソニックシャドウ
(C)2024 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC.
ロボトニックを演じるジム・キャリーは2作目で引退をほのめかしていたのですが、その発言を撤回。本作への出演で、今まで以上にノリノリに悪役を演じ切っていることもうれしくて仕方がありません。助手のストーン役のリー・マジドゥブもXに「絶対に離さないよ、絶対に離さないよドクター」と投稿するなど、自身が演じるキャラクターのことを「分かっている」感がたまりません。
実は、ストーンは原作に登場しない映画オリジナルキャラクターなのですが、今回をもって「史上最高の映画オリジナル要素」だと断言します。

なお、エンドロールの途中と最後にもおまけがあるので、お見逃しなきように。予備知識なく今回の映画からいきなり見ても楽しめますが、キャラクターそれぞれの(特にロボトニックとストーンの)関係性は今までの積み重ねがあってこそ尊さがマシマシになると思うので、可能であれば映画前2作を前もって見ておくこともおすすめします。
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『型破りな教室』
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