10月7日に行われた「生殖補助医療の在り方を考える超党派の議員連盟」の会合。不妊治療に関する新法の最終案が提示された。第三者の精子、卵子提供による不妊治療は法律婚の夫婦に限定され、未婚で子どもを育てたい女性や同性カップルは排除されることに。将来、子どもを持ちたいと願っていた多くの人が恐れていたことが現実になってしまった――。
小野田紀美議員が唯一危惧を示す
2023年11月に行われた会合でもすでに「精子、卵子提供を受けられるのは法律婚の夫婦に限定する」という案は提示されており、反対の声は多く上がっていた。「LGBTQが子どもを持つ未来を当たり前に選択できる」、そういった社会を目指し活動を続ける非営利型の一般社団法人「こどまっぷ」の代表であり、同性カップルとして子どもを育てている長村さと子氏は、当時法案を修正させるべく、世界最大のオンライン署名サイト「Change.org」にて、「⼦どものいる未来を持つチャンスをください」という題で署名を集めていたものの、その行動は結実せず。
今回の会合では、自民党の小野田紀美議員が唯一、治療を受けられるのは“法律婚のみ”という部分に危惧を示した。「たびたび言ってきたことの議論の蒸し返しになってしまうんですけど」と今まで何度も伝えてきたことを強調し、「この法案の条文を読んでいて、不安なところがありまして」と切り出した。
今まで未婚だけれど、子どもを産みたいという人は多く存在し、それを今後はできなくさせ、さらに医療機関を介すると罰則もある、その結果、精子提供などにより子どもをつくる過程が“アングラ化”してしまうことを「非常に恐れている」と。
新法は「今後の希望が絶望に変わる法律」
また個人間でのやりとりに対し今回の法案では罰則はないため、表で堂々とやっていたことはダメになり、「子どもをなんとしても産みたい」と思っていた女性らにとって、“逆効果”になってしまうのでは、とも発言し、「今後の希望が絶望に変わる法律であってはいけないと思うんです」と、まさに絶望を感じている人たちの声を代弁するかのような問いを投げ掛ける。しかし幹事長は「対象をどうするかについては次の期間に検討します」と回答し、法律婚のみを対象にした理由としては、話し合った結果まとまらなかったため、と明かした。重要な部分はまとまらなかったにもかかわらず、今回の法案はできたようだ。